『ウルトラセブン』最終話をBSで放映 特撮ドラマ史に残るダンとアンヌの名場面
『ウルトラセブン』の最終話「史上最大の侵略」は、モロボシ・ダンことウルトラセブンの地球での最後の激闘を描いた感動編です。アンヌ隊員への告白シーンが忘れられない人も、多いのではないでしょうか。有終の美を飾った最終話「史上最大の侵略」の見どころ、そして当時の「円谷プロ」の制作内情について紹介します。
「史上最大の侵略」を2週にわたってオンエア

「アンヌ! 僕は……僕はね……人間じゃないんだ!」
モロボシ・ダンが衝撃的な告白をすることで知られているのが、『ウルトラセブン』の最終話「史上最大の侵略」です。
NHK BSプレミアムでは、2022年2月27日(日)と3月6日(日)、2週にわたって朝8時から4Kリマスター版『ウルトラセブン』の最終話「史上最大の侵略」前編・後編を放送します。
ダンの告白の瞬間、シューマンのピアノ協奏曲が流れる最終話を手掛けたのは、ウルトラシリーズの生みの親のひとりである脚本家の金城哲夫氏、『ウルトラセブン』の人気エピソード「ウルトラ警備隊 西へ」や「ノンマルトの使者」でも金城氏とタッグを組んだ満田かずほ監督です。多くの人の心に刻まれている特撮ドラマの金字塔『ウルトラセブン』の最終話を振り返ります。
ダンの告白を受け止めたアンヌ隊員
さまざまなインベーダーたちとの激闘を重ね、ウルトラセブンことモロボシ・ダン(森次晃嗣)は過労状態に陥っていました。コンディションは最悪ですが、責任感の強いダンは「ウルトラ警備隊」の任務を休もうとしません。狙いすましたかのように、ゴース星人の地球侵略が始まります。
ゴース星人が放った双頭怪獣パンドンに、ウルトラセブンは大苦戦します。エメリウム光線は相手に届かず、必殺技のアイスラッガーまで叩き落とされてしまいます。地面に這いつくばるセブンに、これまでのようなかっこよさはありません。ウルトラホーク3号に乗るアンヌ隊員(ひし美ゆり子)の援護射撃を受け、辛うじてパンドンを倒すセブンでした。
しかし、ゴース星人は地球侵略を諦めません。アマギ隊員(古谷敏)が人質に取られ、地底ミサイルによる世界の主要都市爆破計画が進められます。さらにゴース星人は改造パンドンも用意します。
もう一度セブンに変身すれば、命にかかわることになる。M78星雲の上司から忠告を受けたダンですが、アマギ隊員と人類を見捨てるわけにはいきません。ダンの体調を気遣うアンヌ隊員に対し、ダンは冒頭のセリフを口にするのでした。
ダンがウルトラセブンであることを知り、一瞬驚いたアンヌ隊員ですが、すぐに「人間であろうと、宇宙人であろうと、ダンはダンにかわりないわ」とダンの告白を受け止めるのでした。ダンとアンヌのシルエットが美しい、特撮ドラマ史上に残る名シーンとして語り継がれています。