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冴えない中年おじさんが頑張るマンガ4選 SFバトルや社会派の純愛作品も

人生上手くいかないことばかり……それでも家族のため、自分のためにもがいて頑張る中年おじさんたちに共感してしまう、おすすめマンガをご紹介します。

ただの推理小説好きおじさんだったのに……

突如機械の体に変えられた犬屋敷壱郎が正義に目覚めるSFマンガ『いぬやしき』1巻(講談社)
突如機械の体に変えられた犬屋敷壱郎が正義に目覚めるSFマンガ『いぬやしき』1巻(講談社)

 イケてるわけでもなく、お金持ちでもなく、地位もない……そんなおじさんたちが特殊な状況に放り込まれたり、人生を打開するためにもがいたりする物語は、読者の胸を打ちます。今回は「中年おじさんが頑張るおすすめマンガ」をご紹介します。

※本記事における「中年おじさん」キャラクターの定義は40~59歳までとします。

●『いぬやしき』

『GANTZ』の奥浩哉先生によるSFバトルマンガ『いぬやしき』の主人公は、58歳のさえない会社員・犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)です。実年齢以上に老け込み、家では肩身が狭く、会社での出世もなく、ある時胃がんが見つかり余命宣告まで受け、絶望の淵にいた犬屋敷。そんな彼は、ある夜に宇宙人が起こした事故に巻き込まれ、それを隠ぺいするために地球の科学水準をはるかに上回るテクノロジーが詰め込まれた機械の体にされてしまうのです。

 同じ事故で機械人間になった高校生・獅子神皓(ししがみ・ひろ)が、自分が人間である実感を「殺人」に求めてしまうのに対し、犬屋敷はその力を「人助け」に使うことで「生きている実感」を味わえるようになります。どれだけハイテクな機能を持っていても人格はおじさんなので、頭のキレる高校生には遅れをとりますが、その正義の心でだんだんと覚醒していく様がアツいマンガです。

 後半の獅子神との新宿でのバトルも見どころですが、いちばんスカッとするのは、とある極悪非道な行為を繰り返していたヤクザたちに究極の制裁を加えるエピソード。現実に犬屋敷さんみたいな人がいてくれたら……と考えてしまいます。2018年の実写版では、とんねるずの木梨憲武さんが持ち前の運動神経も活かして、犬屋敷さんを熱演しました。
 

●『マイホームヒーロー』

 主人公の鳥栖哲雄・47歳は普通の営業マンですが、自分でも小説サイトに投稿するほどのミステリーマニア。そんな彼は、妻と娘の3人でつつましく幸せに暮らしていたのですが、ある時大学生の娘・零花が付き合っていた危険な男・麻取延人を、衝動的に殺してしまいます。そして、知識を駆使して妻・歌仙とその死体を隠そうとするのですが……。

 現在ヤングマガジンで第二部まで連載されている人気マンガで、ひとりの半グレ男の死の隠ぺいから話が広がり、詐欺の天才で延人の父・義辰との心理戦、カルト教団との因縁、最強の元傭兵の殺し屋・窪との戦いなど、あれよあれよと事態がエスカレートしていく先の読めないストーリーが見どころです。主人公が家族を守るために頑張れば頑張るほど、人としてはどんどん堕ちていく地獄巡りのような物語が、第三部でどう締めくくられるのか、注目が集まっています。

【画像】中年男たちがもがき、奮闘する名作マンガたち(4枚)

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