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名曲「誰がために」生んだ『サイボーグ009』第2作 制作陣は多くの難題に挑んで…

1979年3月6日は、TVアニメ『サイボーグ009(第2作)』の放送が開始された日です。故・石ノ森章太郎先生の代表作を、後に『装甲騎兵ボトムズ』を手掛ける高橋良輔監督が壮大なスケールでアニメ化しました。OP「誰がために」は、作詞を石ノ森先生(当時の表記は石森)、作曲を故・平尾昌晃氏が手掛けた名曲として知られています。

忘れられない主題歌「吹きすさぶ風が よく似合う…」

1979年のアニメ第2作を収録した、「サイボーグ009 1979 DVD-COLLECTION Vol.1」(東映)
1979年のアニメ第2作を収録した、「サイボーグ009 1979 DVD-COLLECTION Vol.1」(東映)

 43年前の今日、1979年3月6日は、TVアニメ『サイボーグ009(第2作)』が放送開始した日です。故・石ノ森章太郎先生の代表作である原作を、東映の『がんばれロボコン』や『スーパー戦隊シリーズ』で知られる名プロデューサー、鈴木武幸氏が手掛けた本作は、1970年代後半のアニメブームのなかで大きなインパクトを残す作品となりました。

 筆者が『サイボーグ009』のことを思い出すとき、決まって連想するのが、オープニングテーマ「誰がために」の勇壮なメロディーです。作曲者は歌手として歌謡曲「星は何でも知っている」「ミヨちゃん」でヒットを飛ばした故・平尾昌晃(ひらおまさあき)氏。また、『009』は当初から交響組曲を作る話があったため、さまざまな楽器編成で演奏するための編曲を故・すぎやまこういち氏が担当しています。

 そして作詞は故・石ノ森章太郎先生(当時は「石森」表記)。死の商人、黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)によって兵器に改造された9人のサイボーグ戦士たちの使命感と「ひとでありながら人でないもの」となってしまった悲壮感を表現した言葉の数々は、今なお薄れることなく脳に刻み込まれています。すでに本放送から40年以上が経過しており、この曲に関わられた方々も故人となってしまったことが、ただただ残念です。

 なお、「誰がために」は2番までが歌われているのですが、実は3番目の歌詞が存在しています。正確にいうと、採用されたのは1番と3番であり、間に入るはずだった2番が没になっています。1980年に発売されたとある雑誌に手書きのメモが掲載され、世に知られることになったのですが、長い間、存在を知る人は少ない状況でした。2009年にあるイベントで展示されて以降は知る人も多くなり、今では簡単に調べることができるようになっています。

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