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世代によって違う!「α」「β」ギリシア文字を覚えたきっかけの作品

学校では専門知識として教えていないギリシア文字ですが、フィクション関係が好きな人には全文字を暗記してる人も少なくありません。それはフィクションの世界ではよく目にする言葉だからです。

意外なことから勉強になるギリシア文字の奥深さ

著:富野由悠季『機動戦士Zガンダム 第一部 カミーユ・ビダン』(KADOKAWA)
著:富野由悠季『機動戦士Zガンダム 第一部 カミーユ・ビダン』(KADOKAWA)

 昨今、ギリシア文字をよく見ます。しかし同時に、一般的には使われることが少ないので、意外と知らない人が多いことに今さら気付きました。私のようにマンガ、アニメ、ゲームを趣味にしている人は、逆に知っていて当たり前だと思っていたからです。

 ギリシア文字は基本的に日常生活では使いませんから、学校でも勉強することは基本的にありません。ギリシア文字はその特異性から、数学や工学といった特定分野で記号として使われることが普通です。電気抵抗の単位「ω(オーム)」(オメガ)や、円周率の「π」(パイ)など、記号でなら覚えている人も少なくないでしょう。

 この他に、よく使われているギリシア文字の頭3文字の「α(アルファ)」「β(ベータ)」「γ(ガンマ)」は、ほとんどの人が知っていることと思います。最近では、この後の「δ(デルタ)」くらいは聞き覚えがあるかもしれません。

 筆者も最初に覚えたギリシア文字は、この3文字だったと思います。理由は『ウルトラセブン』(1967年)でウルトラ警備隊が使っていた戦闘機・ウルトラホーク1号の分離形態がα号、β号、γ号だったからでした。

 このようにフィクションの世界ではギリシア文字をよく見かけます。実際に筆者もそうでしたが、こういった気になることがあると調べてみたくありませんか? そんなわけで、筆者の目線でフィクションの世界を中心に、ギリシア文字について紐解いてみましょう。

 一般的に特撮番組で同じ怪獣が出た場合、「二代目」や「jr.(ジュニア)」と呼ばれますが、『ミラーマン』(1971年)では名前の最後に「β」と付けられたものも登場しています。作品内では同じ怪獣が何回か登場することもありましたが、「β」が付いた怪獣は初代よりパワーアップして追加パーツが付けられていることから別名義になっているのでしょう。

 そして、筆者と同年代の方の多くがギリシア文字を覚えるきっかけになった作品が『マジンガーZ』(1972年)です。その理由は敵役の機械獣のネーミングパターンにありました。

 機械獣は「ガラダK7」、「ダブラスM2」のように名前の後にアルファベットと数字が付いたものが基本です。これが終盤に登場するようになった妖機械獣になると、「ユニコーンΣ(シグマ)2」、「エレファンスγ3」といったように、アルファベットがギリシア文字に変わりました。この名前でパワーアップが分かるというストレートさに、当時の子供は今度の敵は違うと素直に感心します。

 ちなみにこのなかに「ドラゴガメオ(ガメオはΩが逆さの表記)1」という妖機械獣がいました。子供の頃はそう覚えて感心していましたが、ある時、「Ω」をひっくり返して「ガメオ」なんだということに気付き、ガッカリします。ところが後に勉強して、この「ガメオ」は実際に「Ω」をひっくり返した電気・電子工学の分野で使われている「モー」という単位であることを知りました。自分の役には直接立たないかもしれませんが、いつまでも勉強は大切だと感じた体験です。「モー」は環境依存文字ですのでネットでは表記できませんが、PC上には表示できるので興味を持たれた方は打ち込んでみてはいかがでしょうか?

【画像】ギリシア文字を覚えるきっかけになった作品(5枚)

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