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『ゼルダの伝説ムジュラの仮面』トラウマシーン5選 「目をそむけたい」「後味悪い」

2022年2月25日に「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」で遊べるようになった『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』は、シリーズ随一の怖さを誇る名作として有名です。今回はホラー色満載の本編の中から、リアルタイム世代の脳裏に焼き付いたであろうトラウマシーンを5つご紹介します。

世界滅亡の3日間を繰り返すシリーズ屈指のホラー作

NINTENDO64用ソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(任天堂)
NINTENDO64用ソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(任天堂)

 2000年4月に発売された「ゼルダの伝説」シリーズ5作目『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(以下、ムジュラの仮面)は、シリーズ屈指の異彩を放つホラー色の強い作品です。2022年2月からは、過去の名作が遊べる定額制サービス「NINTENDO 64 Nintendo Switch Online」のラインナップに追加され、発売から22年が経とうとしている今もなお、多数の「ゼルダの伝説」ファンから注目を集めています。

 今回は、そんな『ムジュラの仮面』のプレイヤーが体験したであろうトラウマを5つご紹介します。数多のプレイヤーを飲み込んだであろうボスや、失敗時に後味の悪さが残るサブイベントも……?。

●一度見ると忘れられない月

『ムジュラの仮面』と言えば、何と言っても「月」の顔がインパクト抜群。眼窩で怪しく光る赤眼を向け、歯を食いしばってこちらを威嚇するかのごとくにらみつけた表情は、一度見ただけでもなかなか忘れることができません。

 作中の舞台「タルミナ」は世界そのものが消滅の危機に瀕しているのですが、その最たる原因が月の落下。ゲーム内で日数が経つごとに、月は恐ろしい表情のまま、ゆっくりと確実に地上へ近づいてきます。何気なく空を見上げた瞬間に不気味な月と目があってしまい、恐怖を覚えるプレイヤーがあとを絶ちませんでした。

 なお、リメイク版の『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』(ニンテンドー3DS)では、グラフィック刷新にともない、月の造形もより立体的なものへ作り直されています。

●TVCMでもフィーチャーされた仮面装着シーン

 本作を象徴する「仮面」はリンクを別種族へ変身させる重要アイテムですが、装着時の演出にビックリしたプレイヤーも少なからずいたのではないでしょうか。

 仮面をつけるとリンクが絶叫するだけでなく、仮面の形もまるで苦悶するかのように変形。筆者が特にトラウマだと感じたのは「ゾーラの仮面」で、装着時に仮面の目が黒一色に染まり、黒い血管のようなものが浮き出る演出は、20年以上の時を経ても脳裏に焼き付いています。わずか数秒ほどの演出とは言え、それでも幼い子供にトラウマを植え付ける分には充分な怖さを秘めていました。

●撃破の手順が複雑で心が折れかけた「グヨーグ」戦

 独特なボスが登場する『ムジュラの仮面』において、「グレートベイの神殿」のボス「グヨーグ」は本作随一の強敵と言っても過言ではありません。と言うのも、撃破までの手順がやや複雑かつスピーディーな操作が求められたからです。

 まずは水中を泳ぎ回るグヨーグを狙って矢を発射。矢が命中してもがき苦しむグヨーグを横目に、仮面を装着してゾーラリンクへ変身。そのままグヨーグの胴体を殴り、すぐさま足場へ復帰して仮面を脱着。そして再び弓矢を構えて矢を放つ……というのがボス戦時の流れになります。

 パターンさえ覚えればスムーズに倒せるものの、慣れていない(特に初見プレイ時)は苦戦必至。筆者も何度もたつき、グヨーグに捕食されてゲームオーバーになったか数え切れません。

●心臓が飛び出かねないパメラの父親

 ゲーム後半に訪れる「イカーナ渓谷」は、作中でもとりわけ不気味な雰囲気が漂うホラースポット。ミイラ型モンスター「ギブド」が住み着く井戸をはじめ、渓谷のいたるところでこの世に未練を残した亡霊に遭遇することもしばしば。不穏な空気が辺り一面に立ち込めています。

 そんなイカーナ渓谷には「オルゴールハウス」と呼ばれる建物があり、屋内では「亡霊研究のすえに自らがギブドと化した男性」がプレイヤーを待ち受けています。彼の正体は、オルゴールハウスに住む少女「パメラ」の父親。焦点の合わない目を見開き、中低音のうなり声を上げながらリンクへ迫るその姿は、まさしくギブド以上の怪物。思わず画面から目をそむけたくなるほどのビジュアルです。

●何者かに誘拐されて記憶を消されたロマニー

『ムジュラの仮面』に存在するサブイベントのなかでも、異質なホラーをプレイヤーへ投げかけるのがロマニー牧場の牛泥棒イベント。リンクは牧場に住む少女「ロマニー」から「乳牛を狙う牛泥棒を退治して欲しい」と依頼を受けますが、牛泥棒の正体がどう考えても人間ではなかったのです。

 紫色の身体にオレンジ色の両手、ヘッドライトのように闇夜を照らす奇怪な眼差しは、どこからどう見ても宇宙人そのもの。「ボウっと光る玉に乗ってきてたくさんおりてくる」と不安げに語るロマニーの言葉どおり、突拍子もなく空から牧場へ降り立つと、静まり返った夜間に牧場内を物色し始めます。

 牛泥棒(?)の撃退に成功すると何事もなくイベントが終了。しかし、撃退に失敗した場合は乳牛だけでなく、なんとロマニーまでも連れ去られてしまうのです。

 翌朝に牧場を訪れると、口をだらしなく開け、上の空でどこかを見つめるロマニーの姿が。連れ去られた後に何があったのかは一切分からないものの、「あの子の言うことをちゃんと聞いてあげてれば」と自責の念を浮かべるロマニーの姉「クリミア」の存在も相まって、失敗時にいやがおうでも後味の悪さが目立ちました。

(龍田優貴)

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