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ダマされた懐かしのファミコン「ウソ技」 純粋な青少年を翻弄した「ヒロインと野球拳」

製作者が意図的に入れた隠しコマンド、バグによるアイテム増殖……ゲームにはさまざまな裏技が存在します。時には存在しない裏技がウワサで流れることもありました。なんとゲーム雑誌がわざと嘘の裏技、いわゆる「ウソ技」を掲載していた時代もあったのです。多くのプレイヤーを惑わせた「ウソ技」、果たしてどんなものがあったのでしょうか。

ゲーム雑誌の記事がウソだった!? 裏技紹介に紛れこんだ「ウソ技」

「クラシックミニ」の収録ソフトを紹介する復刻版「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine」(徳間書店)
「クラシックミニ」の収録ソフトを紹介する復刻版「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータMagazine」(徳間書店)

 1980年代前半にファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)が大ヒットして以降、相次いでゲームに特化した専門雑誌が創刊されました。特に支持を集めていたのは初のファミコン専門詩の「ファミリーコンピュータMagazine」(以下、ファミマガ)。「ファミマガ」は攻略記事と裏技の紹介を中心とした誌面構成で人気を博しました。今のようにインターネットで容易に情報を収集できず、また理不尽な内容のソフトも多かったファミコン時代、「ファミマガ」の内容は当時のプレイヤーが求めているものと合致していたのです。

 裏技は、「ファミマガ」の誌面では、「ウルトラテクニック」を略して「ウル技」と呼ばれていました。ゲームには隠されたテクニックや攻略法は付き物ですが、そのやり方を画像付きで分かりやすく解説していたのが「ファミマガ」の「ウル技」コーナーだったのです。例えば、『スーパーマリオブラザーズ』の無限1upの方法を「ファミマガ」の記事で知った方は多いのではないでしょうか。

 しかし、この「ウル技」コーナーには罠がありました。紹介されている「ウル技」のなかに、実現できないうそのテクニックである「ウソ技」が紛れ込んでいたのです。しかも、この「ウソ技」は真偽を確認せずに掲載したものではありません。うそであることを知りながら「ファミマガ」がわざと入れたものでした。

 意図としては、情報を流用する他紙へのけん制、殺到する「ウル技」関連の問い合わせの軽減、単にその場のノリで決めた、など諸説があります。理由が何であれ、当時の「ファミマガ」読者は「ウソ技」に振り回されることになったのでした。

 はじめこそ特に説明もなく記載されていた「ウソ技」ですが、以降は「ウソ技クイズ」として「ファミマガ」の定番企画となりました。「ウル技」として紹介されている裏技のなかにひとつ混じっている「ウソ技」を的中させると、プレゼントがもらえるという企画でした。

【画像】ウソ技にだまされたFCソフト(5枚)

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