40周年『ミンキーモモ』 打ち切りから延長へ…誤解されがちな裏事情とは?
突然の打ち切りから放送延長という、前代未聞の流れ

本作は玩具会社「ポピー」をメインスポンサーとして1年・52話の予定で始まりました。しかし、スポンサーから年内の42話で打ち切りという指示が出てしまいます。これにスタッフは猛反対し、広告会社の仲介もあって1月いっぱいの全46話で最終回を迎えることとしました。
そのため、本作の目的であったハッピーティアの収集は42話でほとんどがそろい、残りの43話以降は最終回に向けての伏線を散りばめた作りになります。
そして、最終回となる46話で主人公のモモが交通事故により亡くなり、改めて人間として地球のパパとママの娘に生まれ変わるという衝撃の展開となりました。その後、赤ん坊から大人の女性として成長したモモの前に、夢の国「フェナリナーサ」が下りてくるという夢で幕を閉じます。
ところが、この製作中に事態が二転三転しました。スポンサーから別の作品に使用予定だった竜型のハサミを作品に登場させて放送を延期してくれ……と、急きょ言われたのです。この依頼に困惑したスタッフでしたが、モモのコスチュームに若干の改良を加えて、総集編を2本挟んだ後、49話から第2部をスタートさせます。
そして、このハサミのオモチャは「カジラ」という名前で作品に登場することになりました。こうしてモモの再登場という謎をはらみつつも、同じ作風だった第2部も変わらぬ人気で視聴者に受け入れられ、最終回となる63話までトータルで5クールの放送となります。
実は最終回で、この第2部はすべて第1部で赤ん坊に生まれ変わったモモの見ていた夢だということが明かされました。そして、新たに登場したカジラこそ、モモの死を知った人びとの悲しみの涙の化身……という設定で、第2部でモモを苦しめていた悪夢と戦うという展開を見せます。
ちなみに仮に放送が順調に行っていた場合の物語を、後に原案・構成の首藤さんが語ったことがありました。それはモモが悪夢との戦いで傷つき、千年の眠りにつき、その夢の中でフェナリナーサが下りてくるというものです。いずれにしても当時の女児向けアニメとしてはハードな最終回が予定されていました。
実は、本作はモモの仲間を新しくしてさらなる延長も打診されていたそうです。しかし、このスポンサーからのプランはスタッフから拒絶され、この放送枠の残り1クールは再放送となりました。
当時、さまざまな大人の事情や世情といったものに振り回された本作でしたが、作品として現代でも通じるほどの完成度だったと筆者は思っています。もし未見の方で興味があるというのなら、お試しと思って観てみることをおススメしたい。それは、当時の名作として今でも鑑賞に耐えうる作品だと筆者は思っているからです。
(加々美利治)



