『鬼滅の刃』妹・弟らしい言動4シーン 「ざるそば早食い」は本能なのか!?
『鬼滅の刃』では、家族、兄弟姉妹の絆が描かれているため、炭治郎の「俺は長男だから我慢できた」という発言など、兄弟姉妹としての立場が表れているセリフも多くあります。そのなかで妹と弟に着目し、妹らしさ、弟だからこその言動とそこから見える思いを探ります。
「ムー」だけでも通じるのが兄と妹
『鬼滅の刃』では、家族、兄弟姉妹の絆が描かれているため、炭治郎の「俺は長男だから我慢できた」という発言など、兄弟姉妹としての立場が表れているセリフなども多くあります。
主要キャラクターを見ても、禰豆子、蟲柱・胡蝶しのぶ、「遊郭編」に登場した上弦の陸・堕姫が「妹」です。また、男性キャラクターにも「弟」である個性的な面々がそろっています。
この記事では、『鬼滅の刃』に登場する「妹と弟」に着目。妹らしさ、弟だからこその言動とそこから見える思いを探っていきます。
●禰豆子の場合
禰豆子は炭治郎の妹ですが、家族で暮らしていた頃は下の子供たちの面倒をよく見るしっかり者の「姉」という面が強かったようです。
ところが、鬼にされた禰豆子は幼い子供に戻ったように、炭治郎に甘えたり、頭をなでてもらいたがったりします。「刀鍛冶の里編」でも、遊んでもらって小さな子供のように楽しそうにしているシーンが描かれます。
竹をくわえているという事情もあって、禰豆子は「ムー」としか言えませんが、この「ムー」という一語で喜怒哀楽すべてを表現するしかありません。「頭をなでて」「かまって」「大声でびっくりした」は、それぞれ若干のバリエーションがあるとはいえ、「ムーッ」とか、「ムムー」で表し、それを炭治郎がしっかり分かるのが、さすが「兄」です。当の禰豆子は、「お兄ちゃん(=炭治郎)は、私の言いたいことが分かって当然」だと思っているようですし、「お兄ちゃんなら、私の言うことをきいてくれて当然」とも思っているように見られ、「妹らしさ」を感じます。妹である禰豆子から兄、炭治郎への絶対的な信頼があるからこそでしょう。
原作マンガのおまけページでは、そんな禰豆子の姿が、「ムーねずこ 略してムーコ」として描かれています。
●堕姫の場合
「雪の日に起こった、人生を一変させる悲惨な事件」「妹思いの兄」など、炭治郎と禰豆子の兄妹と共通点がいくつもあるにもかかわらず、立場がまったく逆なのが、下弦の陸・妓夫太郎と堕姫の兄妹です。炭治郎本人も、妓夫太郎の姿に自身の姿を重ねていました。
堕姫の生前の名前は梅といいます。遊郭の最下層と言われる羅生門河岸で生まれ育った彼女は、「大人がたじろぐほど綺麗な顔」をしており、醜い兄・妓夫太郎にとっては、このうえない自慢の妹でした。梅にとっても、強くて、何があっても自分を守ってくれる兄は、絶対的な信頼を寄せるかけがえのない存在。彼女は人間だった時も、鬼になってからも、兄に守ってもらって生きてきたのです。
非情で、やりたい放題、わがままこのうえない堕姫ですが、自分の気に入らないことや手に負えないことが続くと、泣いて兄に頼ります。音柱・宇髄天元に頸を斬られた堕姫も、まさにその状態。
斬られた頸を抱えたまま、「わーん」と駄々っ子のように声をあげて泣き、「ほんとうにアタシは上弦の陸だもん 本当だもん 数字だってもらったんだから アタシ凄いんだから」と天元が唖然とするほどのギャン泣きぶりでした。
そして、兄が登場すると、ボロボロと涙を流しながら、「アタシ一生懸命やってるのに 凄くがんばってたの 一人で……!! それなのにねぇ 皆で邪魔してアタシをいじめたの!! よってたかっていじめたのよォ!!」と、自分に都合のいいチクリをします。
絶対に自分を裏切らない、兄の優しさを知っている「妹」だからこその言動がもっとも表れているシーンです。
※ここより先、この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。