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4月6日は「ジムの日」 悲運のMS、「ジャブローに散る」のイメージが強すぎた?

『ガンダム』の宇宙世紀シリーズでよく見るMS「ジム」。味方側の量産型ということもあって、活躍する場面の少ない「やられ役」という印象が強くあります。しかし、その貢献度は主役機ガンダムにも負けないほどのものでした。

やられ役だと思っていても、意外な実力を見せるジム

「MG 機動戦士ガンダム RGM-79ジム Ver.2.0 1/100スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)
「MG 機動戦士ガンダム RGM-79ジム Ver.2.0 1/100スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

 本日4月6日は、数字の語呂合わせで「ジムの日」。『機動戦士ガンダム』に登場した地球連邦軍量産型MS「RGM-79 ジム」の記念日となっています。そこで、このジムについていろいろと紐解いてみましょう。

 ジムはGMとも表記されますが、「Gundam type Mass-production model」(ガンダム型量産機)の頭文字の略というのが一般的な説です。ほかにも解説によって、「General Mobile-suit」(一般的なモビルスーツ)、「Gundam Model」(ガンダム型)という表記もありました。

 いわゆる試作型MS(モビルスーツ)である「RX-78 ガンダム」の量産型というポジションでありますが、正確には少し違います。試作型として地球連邦軍の技術力の粋を集めたガンダムは高性能ゆえにコストを度外視していました。これをそのまま量産してもコスト的な問題で大量生産できません。そこで徹底的なコストダウンをし、性能よりも大量生産を念頭に置いたのが本機ジムというわけです。

 そうはいっても、基本となったガンダムの性能の高さから、コストダウンしてもジオン軍のMSに優る部分が多く備わっていました。特にロールアウト時にはジオン軍では実戦配備されていなかったビーム兵器を標準装備していた点だけでも、コストパフォーマンスが高いMSだったといえるでしょう。

 しかし、ジムにはどうしても「やられ役」というイメージがぬぐえません。それは当たり前で、主役と戦う敵を強く見せるため、その敵に簡単にやられる役というものが物語に必要です。その役をジムが担っているわけですから、やられ役というのはむしろジムの誇れるポイントなのでしょう。

 やられ役としてのジムがもっとも有名なのが、シャアのズゴックに胴体を貫かれるシーン。いわゆる「ジャブローに散る」です。多くのモデラーたちによって再現されたこのシーンは、誰もが目にしたことがあるでしょう。この初登場から活躍の場が与えられず、やられ役に徹したジムの心意気は多くの人の目に留まりました。

 こういった場面が記憶に残っているので、ジムは弱いと勘違いされていますが、けっしてそうではありません。前述した通り、もともとはガンダムの系譜なのですからむしろ高性能なMSでしょう。その証拠に、ジムはいくつかの媒体のガンダム作品で「主役」となったことがあります。

 たとえばゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の第一章である『機動戦士ガンダム外伝1 戦慄のブルー』では、主役機もラスボスもジムでした。この他にも『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』でも終始、主役機として活躍しています。

 ゲーム以外で印象深いのが、富士急ハイランドにあったアトラクション『GUNDAM THE RIDE ‐宇宙要塞A BAOA QU‐』で観客の乗るランチを護衛するという設定で活躍したジャック・ベアードとアダム・スティングレイの乗ったジムでしょうか。

 単なるやられ役としてだけでなく、時には主役になることもできるジム。ジオン軍のMSとはまた違った魅力のあるMSだと思います。

【画像】バージョンいろいろ、「ジム」を受け継ぐMSたち(5枚)

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