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間違いなしの面白さ!アニメの名脚本家たち 実写化も成功させた職人、誇張表現の名手も

これから見るアニメを選ぶとき、何に注目して選ぶでしょうか? 原作、監督、声優、作画……色々あるとおもいますが、脚本はどうでしょうか? 今回はアニメの脚本家に注目して紹介します。

あまり前に出ない脚本家の名前

岡田麿里さんの代表作。実写化もされ、根強いファンの多い『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ビジュアル  (C)ANOHANA PROJECT
岡田麿里さんの代表作。実写化もされ、根強いファンの多い『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ビジュアル  (C)ANOHANA PROJECT

「世界のクロサワ」と呼ばれた偉大なる映画監督の黒澤明は、複数の脚本家を雇って別々に同じシーンを書いていたそうです。ワンシーンごとに、脚本コンクールをしていたということですね。これは、それほどに脚本が大事という一例です。

 ですが、アニメのレビューでは、監督、声優、作画などへの言及に比べ、脚本家(シリーズ構成担当)への言及は少ないように思います。今回は筆者が、独断で凄いと思うアニメの脚本家を紹介します。

※監督兼任ではなく脚本をメインにしている方に絞っています。

●虚淵玄……絶望とバイオレンス

 虚淵玄(うろぶち・げん)さんは、『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』『魔法少女まどか☆マギカ』『PSYCHO-PASS サイコパス』などで知られるベテラン脚本家です。ゲーム、アニメが主戦場ですが、実写特撮の『仮面ライダー鎧武/ガイム』なども手掛けており、ニチアサ好きにとってもお馴染みの名前ですね。

 作風は趣味性が全開で、バイオレンスで絶望的な終わり方をするのが特徴です。初期はその特徴が顕著でハードポイルドな『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』、鬱ゲーの怪作『沙耶の唄』、原作担当の『Fate/Zero』などがその典型と言えるでしょう。

 しかし、近年は作風がマイルドになりつつあり、『翠星のガルガンティア』はほとんど死人が出ず、『楽園追放 -Expelled from Paradise-』はひとりも死人が出ませんでした。「見たことのある設定」とのレビューも散見された『楽園追放』ですが、王道エンタメに必要な要素を104分に凝縮した教科書のようなシナリオで、話作りのお手本のような一本です。

●岡田麿里……泣かせ上手

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『凪のあすから』『荒ぶる季節の乙女どもよ。』など、小規模な人間ドラマジャンルを得意にしている脚本家・岡田麿里さん。得意な作風を乱暴に表すると、メロドラマです。絶望エンドの虚淵さんとは対照的に、色々ありながらも最後には雨降って地固まるほろ苦ハッピーエンドがお決まりのパターンです。

 派手な事件こそ起きませんが、表現が瑞々しく、感性の若さを感じます。『キズナイーバー』『ひそねとまそたん』もおすすめです。22年4月現在、シリーズ構成を担当した『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 特別編』が放送されています。

脚本家が素晴らしい仕事をした名作アニメを振り返る(5枚)

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