【漫画】幽霊になった友人との会話 オチでの種明かしに読者も「なるほど!」と感心
突然、幽霊になってしまっていた友人。自分以外には見えないその友人と軽いノリで話しているうちに、あることに気付かされて……。作中に多数の「仕掛け」が盛り込まれたバニラ芭蕉さんの創作マンガが好評です。
セリフや描写に含まれている多くの「トリック」が楽しい!
前日に卒業式を終えた藍美と友人のみーちゃん。昨日まで元気だったみーちゃんは、幽霊になっていました。突然のことに驚きながらも、幽霊になったみーちゃんと軽いノリで会話する藍美。そのとき、みーちゃんが藍美に「まだ気付いてない?」と問いかけて……。
バニラ芭蕉さん(@vananatamago)が、創作マンガ『昨日死んだ女の子の話』をTwitterで公開しました。読者からは「そういうことか」「すっごく面白かったです!」などの感想が寄せられ、2000以上の「いいね」が集まっています。
作者のバニラ芭蕉さんに、お話を聞きました。
ーーバニラ芭蕉さんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
高校受験です。受験勉強の休憩中にマンガを読みながら「自分もこんなのを描いてみたいな」と思うようになり、朝早起きして勉強する前に1時間くらいコピー用紙にマンガを描くようになりました。その時のものは誰にも見せてないのですが、大学生になったくらいからTwitterでフォロワーに見てもらうようになって、そこから本格的に描くようになりました。
ーー『昨日死んだ女の子の話』はどのように生まれましたか?
タイトルの意味が読み始めた時と読み終わった時で変わるようなマンガを描こう、と思ったのがきっかけです。叙述トリックのような表現をマンガで描けるように練習していた時期だったので、それを生かせる内容を考えました。
ーー登場人物があっけらかんとしているのが印象的です。このようなキャラクターにしたのはなぜでしょう?
タイトルがまずそうだと思うんですけど、舞台設定自体はかなり暗いんですよね。テイストは軽くしたつもりですが、3ページ目で藍美は友人を亡くした寂しさで泣いてしまってますし……。
そのため、これでまともな神経をしたキャラをふたりも作ってしまうと、重たくて笑えないうえにテンポのいい会話をしてくれないと思いました。そこで、ギャグだと割り切れるよう、ふたりをあっけらかんとした性格にしています。
ーー随所に用意された伏線としてのギミックも含め、興味深い表現が多い作品でした。制服のタイがコマの外へはみ出しているのは、どのような意図からでしょうか?
定期的にいただく質問です(笑)。僕のマンガはだいたい服の一部や髪の毛がはみ出しているんですけど、特にギミックなどの深い理由はありません。
もともと僕は絵がうまいからマンガを描くタイプではなく、会話劇を読んでほしくてなんとか絵を描いているタイプです。だから、コマのなかに綺麗に収めながらキャラを描くのが苦手なんですよね。
なので、毎回小さすぎたり大きすぎたりしてはみ出して描いているんですけど、消してしまうのがもったいない部分は消さずに残しておいて、簡単に消せるコマ枠のほうを消して投稿しています。
ーー作品に対する読者からの反応で、特に印象に残った声があれば教えて下さい。
先ほどの質問もそうなのですが、会話のなかに隠しておいた伏線や違和感に読み返してから気付いた、というような感想が多く、気付いてもらえて良かったと安心しました。
仕掛けが単純すぎて途中で気付いた方もいたみたいですが、狙い通りに回収のシーンで膝を打ってくれたフォロワーも多かったようで、とてもうれしかったです。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
1週間に1本以上マンガを投稿できるようにしているのですが、最近は商業や連載のお話をいただけるようになってきたので、都合が合うお話があればそういった方向でも描いていけたらな、と考えています。
とはいえ、僕の原動力は皆さんからいただく感想なので、フォロワーや読んでくださる方たちに少しでもウケるようなマンガを描けたらと思っています。
(マグミクス編集部)