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『ギャグマンガ日和』の、笑えるけど怖~い回5選 延々と追いかけてくる王子様…

連載20年を超え長く愛されている「ギャグマンガ日和」シリーズ。特定の主人公はなく、さまざまな世界観で奇人変人たちがドタバタやグダグダを繰り返しています。そんな『ギャグマンガ日和』には、ブラックユーモアが行き過ぎて、ちょっと怖くなってしまう回もありました。

子供たちが見たグロすぎる大人の本気の喧嘩

『  ギャグマンガ日和+(通常版) 上巻』DVD(バンダイビジュアル)
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 増田こうすけ先生の人気マンガ「ギャグマンガ日和」シリーズは、20年以上にわたって連載が続いており、エピソードの数は400を超えています。特定の主人公を決めずに、毎回さまざまな世界観や切り口でブラックな不条理ギャグが繰り広げられる同作には、笑えるけどちょっと怖くなってしまう回もありました。

●『ギャグマンガ日和』第40幕「CDと恋-BLOOD-」

 学生の主人公・久保は片想いしている女子・前野と、雨宿りするために近くにあった「CDショップ吉沢」に駆け込みます。そこの店主・吉沢はわけのわからない薬品の実験を行っていましたが、彼が自作の「筋肉が隆々になるおでん」でいきなりマッチョになるのを見た前野は、血迷ってそこで売られていた「聴くだけで頭がよくなるCD」を買ってしまいました。

 そのCDには吉沢自作のよくわからない歌が収録されており、がっかりした前野はCDをこっそり久保の家において逃げようとする始末。しかし、さらにマッチョになった吉沢が通りかかるのを見て、前野はやはりCDにも効果があるはずと、それを持って帰ってしまうのでした。

 その後、久保が前野に電話すると彼女はCDに脳を侵されたのか、「聴き終わるころにはIQ5億になっていると思う」「私は神になるの」とわけのわからないことを口走ります。そして翌朝、前野は「宇宙 is FOREVER」などどつぶやき、頭から大量の血を吹き出しながら登校してきます。その様子を目撃した久保は涙を流し、「オレの手の届かない次元に到達してしまったような気がする」と彼女を見送りました。

 普通の学生の日常が奇人変人たちのせいで崩れる、というのは『ギャグマンガ日和』の定番ですが、「CDと恋-BLOOD-」はその崩れっぷりがなんだか怖い域にまで達してしまった回です。増田先生のシンプルな絵でも、やはり人の頭から噴水のように血が出ている光景はゾワゾワしますし、「え?それで終わり?」となる不条理バッドエンディングでモヤモヤさせられます。

●『ギャグマンガ日和』第130幕「楽しみにしてた!社会見学」

 将来はパン屋さんになりたい小学生・悟君は、ずっと楽しみにしていたパン工場見学にやってきます。しかし、到着寸前にパン工場が目の前で大爆発。先生はなんとか見学を続けようとしますが、子供たちが目撃したのは焼け出されてボロボロになった大人たちでした。

 責任者の工場長は「爆発なんてしてませ~ん」とすっとぼけており、おまけに爆発の責任をなすりつけ合う従業員同士の醜い争いまで勃発。本気の殴り合いでゲロを吐きながら倒れる大人を見て、子供たちも貰(もら)いゲロをもよおし、先生はパニックになって「そうだ じゃあ みんなには殺し合いをしてもらいます」と、わけのわからないことを言い出してしまいます。工場見学を台無しにされた悟君はブチギレ、先生も従業員たちもボコボコに。この時、彼のK-1ファイターとしての才能が開花したのでした。

 わずか4ページのエピソードですが、ゲロを吐きながら倒れる大人たちの妙に生々しい描写が記憶に残る回です。子供たちが泣くのも当然な、大人のみっともなさがむき出しになっており、ちょっと怖くなってしまいます。

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