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クソゲー『いっき』のメーカーが大変身? ファミコン後期のサン電子がスゴい!

ファミコン前期に『いっき』という「クソゲー」を発売したおかげで汚名を被ることになったサン電子。しかし、その後のサン電子は「汚名返上」といえる良質なソフトを何本も作っているのはご存じでしょうか? 技術的にはファミコンの性能の限界を突破しているようなソフトもあります。良作ぞろいのファミコン後期のサン電子を語ります!

サン電子 ファミコン前期編:クソゲーの語源『いっき』の汚名を被る…

ファミコン用ソフト『いっき』(画像:筆者提供)
ファミコン用ソフト『いっき』(画像:筆者提供)

 つまらないゲームやできの悪いゲームをやや口汚い形で酷評する際に使用される「クソゲー」という言葉、この語源となったソフトをご存じでしょうか。すべては1985年にファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)向けにサン電子が発売した史上初の農民一揆ゲーム『いっき』から始まりました。

 元々アーケードゲームだった作品をファミコンに移植した形となりますが、移植にあたり、当時のハード制約もあって、大幅に内容が割愛され、操作性も悪化。特にボリューム面の削減は著しく、10分程度で全4面をクリアできてしまいます。原作から存在した「バカゲー」要素である「一揆なのに農民がひとり」という点も相まって、本作はイラストレーターのみうらじゅん氏により、「クソゲー」と呼称されたのでした。

 しかし、このファミコン版『いっき』は当時のファミコンバブルを背景にヒットし、約80万本の売上を記録しています。多くのユーザーがプレイした『いっき』が上記のようなできであったことで、発売元のサン電子も汚名を被ってしまいます。その後に発売された『アトランチスの謎』『東海道五十三次』といった作品もかなり癖が強い内容(筆者は大好きですが)であったこともあり、サン電子は人によってはあまり印象の良くないメーカーになってしまったのでした。

 ファミコンなのに音声合成で長ゼリフを喋ってくれる『水戸黄門』も当時の技術的にはすごいことを行っているのですが、広大すぎるマップとシビアすぎる時間制限が釣り合っておらず、コミカルなパッケージに反して難易度の高いソフトでした。ファミコン前期のサン電子のソフトの多くは「ゲームバランスが不安定」であり、万人受けするかと問われると疑問符が付く内容でした。

【画像】特殊カセットが特徴!サン電子のファミコンソフト(7枚)

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