クソゲー『いっき』のメーカーが大変身? ファミコン後期のサン電子がスゴい!
サン電子ファミコン後期編:ハードの限界を超える技術力で良作連発!
しかし、その後のサン電子はファミコン前期の「不安定」な印象とは大きく異なるメーカーへと変貌します。転機となったのはセガの『ファンタジーゾーン』のファミコン移植でしょうか。アーケードゲームと家庭用ゲーム機の性能差が激しく、移植に対してはある程度妥協しなければならない時代、本作のファミコン移植は高い再現性を持つ良質な移植でした。競合ハードのセガマークIIIでセガ自身が出したバージョンを上回ると言われたぐらいです。後に同じセガの『アフターバーナー』もサン電子がファミコン移植を担当しました。スペック差から無茶な移植かと思いきや、ゲーム性や演出は原作を踏襲しており、「ファミコンとは思えない」再現性。こちらもセガマークIII版より高い評価を得ています。
「映画原作ゲー」でも、サン電子は確かな手腕を見せています。『バットマン』は、原作映画のダークな雰囲気を再現し、なおかつゲームとしても面白い良質なアクションゲームです。難易度は高いのですが、プレイするうちに上達が実感できる内容となっており、「不安定」な印象は受けません。グラフィックも描き込まれ、タイトル画面のドット絵は「ファミコンとは思えない」美しさ。プレイに爽快感が増すノリの良いBGMも魅力です。
『バットマン』に限らず、後期のサン電子のゲームのBGMは素晴らしいクオリティで知られています。『ラフワールド』は、拡張音源を使用せずに「ファミコンとは思えない」重厚なBGMを鳴らしており、サウンド面での技術力にも驚きます。
「ファミコンとは思えない」技術力を次々と見せつけてくる後期のサン電子ですが、なかでも特に技術面で秀逸だと言われているのが、『ギミック!』『バトルフォーミュラ』の2本です。『ギミック!』に至っては拡張チップを搭載しており、文字通り「限界突破」しています。それまでつちかったサン電子の底力を惜しげもなく投入しているこちらの2作は、マニアの間で伝説となっており、ファミコン屈指の入手困難かつ高額なソフトとなっています。
実機の入手は難しいかもしれませんが、今はNintendo OnlineやプロジェクトEGGなどのゲーム配信でプレイできる作品も多いです。「『いっき』のメーカー」から驚きの変貌を見せたファミコン後期のサン電子。機会があれば、その「ファミコン超え」の技術力を体感してみてはいかがでしょうか。
(Nuruhachi)
※本文を一部修正しました(4月27日19時46分)