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『寄生獣』敵キャラの深い名言6選 人類の欺瞞を突く言葉、衝撃のタイトル回収も

人類を捕食対象とする「寄生生物」が右手に寄生した高校生・泉新一の物語が描かれたマンガ『寄生獣』。1995年に連載が終了した作品ですが、「人間とは何か」「人類文明への警鐘」など、普遍的なテーマを扱っており、不朽の名作と言われて愛されています。この記事では、そんな『寄生獣』の敵キャラが残した名言を紹介します。

自然環境保全は地球のため?「人間とは何か」を考えさせられる名言

数々の名言を残した田宮良子が表紙の『寄生獣』第8巻(講談社)
数々の名言を残した田宮良子が表紙の『寄生獣』第8巻(講談社)

 人類を捕食対象とする「寄生生物」と、「寄生生物」が右手に寄生した(ミギー)高校生・泉新一の戦いが描かれたマンガ『寄生獣』。同作に登場する敵キャラたちは、数々の考えさせられる深い言葉を残しています。

●田宮良子「『地球にやさしい』なんて見当はずれなコピー」

 大学で利己的遺伝子についての講義を聞いた、寄生生物・田宮良子が新一に言った言葉です。「地球にやさしい」は、自然環境保全への取り組みを表すためのキャッチコピーによく使われています。

 そして、自然環境保全の目的は、人類が子孫を残していける環境を維持することです。しかし、人間が生きていくには、結局は他の生き物の犠牲が必要になります。田宮良子の言葉は、「『人間にやさしい』の間違いだろう」という皮肉が込められた深い名言です。連載当時よりも、さらに「地球にやさしい」ことが求められがちな現代でこそ響きます。

●浦上「まるで戦争じゃねえか。これでおれの出る幕なんてあんの?」

 寄生生物と人間を見分ける特殊能力を持つ連続猟奇殺人犯の浦上が、寄生生物を一網打尽にする作戦に動員された部隊を見て発した言葉です。特殊能力を必要とされて作戦現場に連れてこられた浦上が、なぜ「出る幕がない」と感じたのでしょうか。

 それは、浦上が寄生生物討伐の戦場にいる兵士たちを同類だと感じたからです。兵士の訓練は、「人間を効率的に殺すこと」や「殺人への抵抗感を減らすこと」を主目的として発展しました。兵士という殺人機械を作っているのに殺人犯を死刑にする国家への、浦上からの皮肉が感じられる深い言葉です。

●後藤「もっと工夫しろ…… 人間は地球上でもっとも賢い動物のはずだろ」

 五体の寄生生物が同居している後藤が、人間の兵士たちに向けて言った名言です。寄生生物を一網打尽にする作戦を実施した部隊は、ショットガンを使って寄生生物たちを追い詰めていきます。しかし、体全体を硬質化できるうえ、壁や天井を使って立体的な動きをする後藤に、ショットガンは通用しませんでした。

 しかし、兵士たちは通用しないと分かっても、命令に従ってショットガンによる攻撃を繰り返します。後藤には、何も考えず命令に従っている兵士たちが、虫や機械のように見えたのかもしれません。

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