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ツタヤのジブリコーナーにもある海外アニメ映画4選+α 美術館で特集される名作たち

スタジオジブリはアニメ制作の他、海外アニメーションを紹介する事業も手掛けています。近年、個性的な海外アニメーションが日本でも多く紹介されるようになってきました。今回はおすすめの海外アニメ映画を紹介します。

宮崎駿の原点も。ジブリ美術館提供のおすすめ作品4選

スタジオジブリの原点ともいわれる名作『王と鳥』 (C)2006 公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団
スタジオジブリの原点ともいわれる名作『王と鳥』 (C)2006 公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団

「アニメ大国」と言われる日本のなかでも、国内外で抜群の知名度を誇る制作スタジオスタジオジブリの作品は、現状配信サービスで見ることができないため、TVのロードショー以外で見るためにはDVDを買うかレンタルビデオ店に行くしかありません。

 さて、TSUTAYAなどでジブリ作品のコーナーに、おもにヨーロッパなどの海外のアニメ作品も一緒に置かれているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。ジブリはこれまで数々の名作を制作してきましたが、それ以外に海外の知られざる優秀なアニメーション作品を日本に紹介する事業も行っています。その事業名は「三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー」。

 同美術館は日本初のアニメーション美術館として、日本の作品だけでなく世界にも多種多彩な素晴らしいアニメーション作品があり、それを知ってもらいたいとの考えから、この事業を行っています。ディズニーやピクサーなどのアメリカの作品ならいざ知らず、その他の国々の作品はなかなか注目してもらいづらいので、「ジブリ」の名を冠することで少しでも多くの人に知ってもらいたいというわけです。レンタルビデオ店で同じコーナーにあることが多いのも、その一環です。

 故・高畑勲監督が熱心に推進していた事業のひとつでもあり、高畑監督亡き後も継続して海外の優秀なアニメーション作品を紹介し続けています。今回は、ジブリ美術館ライブラリーが提供する海外アニメーション作品のなかから、おすすめの作品を紹介するほか、その他のおすすめ海外アニメ映画も特集します。

●『王と鳥』

 高畑勲監督と宮崎駿監督にとっての「原点」のひとつともいえるフランスのアニメ作品。1952年に『やぶにらみの暴君』というタイトルで公開され、アニメーションが実写映画に比べて今よりも評価されにくい時代に、芸術的な観点で高い評価を受けました。その『やぶにらみの暴君』を、ポール・グリモ―監督が権利とネガフィルムを買い取って再構築したのが本作です。

 独裁者の王様が支配する城で、絵に描かれた煙突掃除の青年と羊飼いの少女が命を持ち、絵を抜け出して、紳士でおしゃべりな鳥の助けを借りて独裁の打倒を目指します。宮崎駿監督の初期作品には本作からの影響と思われるシーンが多数あり、終盤には巨大ロボットも登場するなど、日本アニメに多大な影響を与えた今なお色褪せない名作です。『やぶにらみの暴君』とは違い、ハッピーエンドで終わらないラストも心に残ります。

●『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』

 2015年に制作され、高畑勲監督も絶賛したフランスのアニメ映画。輪郭線のないシンプルなキャラクターデザインと豊かな色彩で、少女のダイナミックな冒険が描かれる手に汗握るアドベンチャー映画です。19世紀のロシア、14歳の少女サーシャは北極航路の探検に出て戻らない祖父の身を案じ、ひとりで祖父を探す旅に出発。道中、様々な人々と出会いながら、艱難辛苦の冒険を繰り広げていきます。

 黎明期の日本アニメを彷彿とさせるような画風で、ノスタルジックな雰囲気のなか、宮崎アニメに登場しそうな勇敢な少女が活躍します。レミ・シャイエ監督は本作の後、西部開拓時代に活躍した伝説の女性ガンマンを描いた『カラミティ』も発表。こちらも国内外で絶賛を受け、世界で最も注目されているアニメーション監督のひとりとなりました。

【画像】ジブリも注目する近年話題となった海外アニメーション映画(10枚)

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