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クセが強い!実写タレントゲーム3選 顔面ドアップ映像に恐怖

芸能人や著名人をフィーチャーした「タレントゲーム」には、リアルな映像をグラフィック代わりに取り込んだ「実写ゲーム」も数多く存在します。今回はタレントの個性やキャラクターを全面に押し出した、クセが強い実写タレントゲームを3作品ご紹介します。

タレントの個性がギラリと光る実写ゲーム

『松方弘樹のワールドフィッシング』(BPS)
『松方弘樹のワールドフィッシング』(BPS)

 40年以上の歴史を誇るビデオゲーム市場では、比較的早い段階から芸能人や著名人とタイアップしたゲームソフト、いわゆる「タレントゲーム」が作られてきました。

 当初のタレントゲームはハードの性能上ドットなどでグラフィックを描いていましたが、時代が進むにつれ、実写映像を取り込んだゲーム(以下、実写タレントゲーム)も数多く誕生。近年では俳優の本郷奏多さんや栗山千明さんが出演した『デスカムトゥルー』が話題を集めるなど、今なおゲーム業界で一定の存在感を放っています。

 今回は過去に発売された実写タレントゲームのうち、ひときわ「クセの強い」作品を3本ピックアップ。ゲーム内容を振り返りつつ、ほかの実写タレントゲームと一線を画したユニークなポイントをご紹介します。

●『松方弘樹のワールドフィッシング』

 日本映画史に残る名作「仁義なき戦い」シリーズの演技が色あせない俳優、故・松方弘樹さん。松方さんと言えば大の釣り好きでも知られ、プライベートで361kgの巨大マグロを釣り上げたこともある相当な腕前の持ち主でした。

 そんな松方さんの代表的なタレントゲーム『松方弘樹のワールドフィッシング』(1996年)では、なんと松方さん本人がゲーム内に登場(実写映像)。プレイヤーと一緒にトローリングやバス釣りにチャレンジします。

 PlayStation(以下、PS)とセガサターンの2機種で展開された本作は、収録映像のバリエーションがとにかく豊富。「専門店で釣りの知識を女性アシスタントにレクチャー」、「海図を指さしてフィッシングスポットを解説」、「身振り手振りを交えて釣りの醍醐味を熱弁」……などなど、ゲーム進行に合わせて松方さんがさまざまな表情を見せてくれます。

 本作は釣りを題材としたスポーツゲームとしても完成度が高く、「トーナメント」(釣果を競い合う)や「レクチャー」(基礎知識を一から学べる)といったモードにより、初心者から上級者まで幅広いユーザー層が楽しめました。

●『STOLEN SONG』

 ロックバンド「BOOWY(ボウイ)」のギターを務め上げ、ソロデビュー後に『スリル』や「バンビーナ』などの名曲を送り出した布袋寅泰さんは、PS/PC用ソフト『STOLEN SONG』(1998年)の主役に起用されています。

 同作はギター演奏をモチーフとしたリズムゲームで、「画面上を通過するアイコンに合わせてコマンドを入力する」というゲームシステムを採用。ゲーム中に流れる音源はすべて布袋さんのコンサートツアー(SPACE COWBOY TOUR)から引用しており、プレイ時に大きく実写映像が映し出されるのが特徴です。

 なお、同作には専用コントローラー「Vピック」が同梱済み。PSやPCの端子へ接続すると、通常のコントローラーやキーボードよりも直感的に演奏することができました。近年では「ギターヒーロー」や「ロックバンド」といった楽器型の専用コントローラーを扱うリズムゲームが増えましたが、『STOLEN SONG』はある意味でその先駆けだったと言えるでしょう。

●『稲川淳二 真夜中のタクシー』

 PS用ソフト『稲川淳二 真夜中のタクシー』(2000年)はその名の通り、怪談の蒐集家であり自身も怪談ライブを行う稲川淳二さんが出演&監修したサウンドノベルゲームです。

 ゲームの舞台はどこか不穏な空気が漂う「恐町」。主人公のタクシードライバーは業務をこなして日々を過ごす傍ら、稲川さんを乗せたことがきっかけとなり、日常にじんわりと異変が生じていきます。

 特筆すべきは全34本あるシナリオ(怪談)のうち、半数近くの語り(フルボイス)を稲川さん本人が担当している点。ゲーム中は車を運転する主人公の視点で進むのですが、ふとバックミラーを見上げると、神妙な表情で怪談を披露する稲川さんが生々しく映し出されているのです。その臨場感もさることながら、時おり挿入される稲川さんの顔面ドアップ映像がプレイヤーの恐怖心を否応なく刺激しました(プレイヤーによっては逆に面白く感じる場合も?)

 ちなみに、稲川さんは同作以外にも多様な怪談ゲームの監修を担当。PCエンジンの『百物語~ほんとにあった怖い話~』(1995年)、その続編『古伝降霊術 百物語~ほんとにあった怖い話~』(1997年)をはじめ、PlayStation 2用ソフト『四八(仮)』(2008年)では本人役として久々に出演。怪談ライブ主催者……もといゲストキャラクターという立ち位置で、各地方にちなんだ怪談を作中で大々的に披露していました。

(龍田優貴)

【画像】世代には刺さりまくる! タレントゲーム(4枚)

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