『Zガンダム』ジュピトリス所属のMA・MSたち 目的がハッキリした機体が多かった?
『Zガンダム』作中でも最強の一角を占める機体
●PMX-002 ボリノーク・サマーン
PMX-002ボリノーク・サマーンはシロッコがジュピトリスで設計・開発を行ったPMXシリーズの2番機です。まるで熊のような外見をしているため、名前の由来は「もりのくまさん」となっています。
高濃度ミノフスキー粒子内での索敵・偵察用の機体であり、従来の偵察機よりも高度な情報処理システムを装備しています。危険要素や敵機の行動パターンを分析し、僚機への伝達が可能となっています。武装はシールドに装備されたメガ粒子砲「ビーム・ガン」を2基装備しており、取り出すことでビーム・トマホーク及びビーム・サーベルとしての使用が可能となっています。
両肩部にはグレネード(炸裂弾)ランチャーが合計6発、近接戦闘用として右腕にクロー・シールドが搭載されていますが、ジュピトリス製のモビルスーツとしては比較的軽武装です。これは本機がジ・Oやパラス・アテネと連携し、前衛斥候として運用する意図で設計されたためと思われます。
作中では44話からサラ・ザビアロフがメインパイロットとして搭乗しましたが、最終的にはカツ・コバヤシのGディフェンサーの攻撃からシロッコを庇い、撃墜されました。
●PMX-003 ジ・O
シロッコが自身の専用機として設計・開発を行なった重モビルスーツが「PMX-003 ジ・O」です。名前の由来は「theology(神学)」とされており、シロッコが自らを神となぞらえていることが見て取れます。全高は28.4メートルとモビルアーマーであるメッサーラに匹敵するほどの大きさとなっており、Zガンダムの18.7メートルと比較しても10メートル近い差があります。
しかしながら推力はメッサーラの96000kgを上回る135,400kgとなっており、また、50基の姿勢制御バーニアが全身に装備されており、高い機動力と運動性を持つ機体に仕上がっています。
クワトロ大尉が「ジュピトリスの達磨」と称したように重厚な外見となっており、装甲も十分備えられていますが、内部にプロペラントなどが装備されているため、見た目ほどの重装甲ではなく、あくまでも機動性重視の機体となっています。
武装は大型ビームライフルとビームソードが4振りと同世代のモビルスーツと比較すると軽武装ですが、フロントスカート内部にサブマニュピレーター「隠し腕」が備えられており、ビームソードを用いての奇襲攻撃に使用されます。また、設定上は胸部上のスラスターの外側にバルカン砲らしき装備が存在していますが、アニメ本編で使用されたことはありません。
作中では終盤にシロッコの専用機として登場し、Zガンダムや百式、ハマーン・カーンのキュベレイなどと激闘を繰り広げました。最終的には超常的な力を発現したカミーユ・ビダンとZガンダムにより操縦不能となり、ウェイブライダーに変形したZガンダムの突撃を受けてコクピットを破損、シロッコも戦死しました。
(早川清一朗)