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昭和に比べ人気マンガの「巻数」が増えた理由を考察 「変化」があった時期は?

最近のマンガは長期連載が多いと感じたことはありませんか? そこで数十年前の人気マンガと比べてみました。果たして本当に、最近の人気マンガの巻数は多くなったのでしょうか?

昭和時代の人気マンガの平均的な巻数は?

(画像:写真AC)
(画像:写真AC)

 最近の人気マンガを見ると、昔に比べて巻数が増えたと感じることがあります。本当にそうなのでしょうか? 比較して調査してみました。

 昭和生まれの筆者の、子供の頃の感覚では、「10巻以上は人気マンガ」というイメージが漠然とありました。そこで今でも作品タイトルを聞くことの多い、アニメにもなっている1960〜1970年代の主な作品の巻数を挙げると……。

・『巨人の星』全19巻
・『あしたのジョー』全20巻
・『タイガーマスク』全14巻
・『野球狂の詩』全17巻

 ……というように、現在のように何十巻もある人気マンガに比べて半分以下の巻数になっています。当時、社会現象にまでなったほどの作品でこのくらいで、当時のマンガは基本的に数年で完結するものがほとんどでした。

 もちろん、当時でも作者のライフワークとも言うべき、長きにわたって描き続けられた作品は多く存在しています。『サイボーグ009』、『天才バカボン』、『ゲゲゲの鬼太郎』のような人気作品です。しかし、これらは一度物語を完結させるという形を取っており、連続的なストーリー性を持った作品ではありません。そういった連続ストーリー物は、前述したように一定の連載期間で物語を完結させています。

 近年、100巻を超えた発行巻数の多い作品を見ると、このパターンに当てはまるものが多くありました。『ゴルゴ13』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『浮浪雲』、『あぶさん』、『クッキングパパ』などです。どの作品も共通しているのは1話ないし数話でひとつのエピソードが終わるタイプ。どこから読んでも基本設定さえ知っていれば問題ない読み切り方式の作品です。

 そういう点では、昔からギャグマンガは比較的、巻数が多い印象がありました。もっともギャグマンガの場合、同じパターンだと定期的なネタ出しに困るので、登場人物や作風を変えたいくつかの作品を回していくという方法を聞いたことがあります。

 それでは、近年の『ONE PIECE』、『名探偵コナン』のような長期連載形式の連続ストーリー物の100巻超え作品は、どのような流れで生まれてきたのでしょうか?

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