『シン・ウルトラマン』とともに見返したい、「メフィラス星人」ら人気怪獣&星人たち
斎藤工さん、西島秀俊さん、長澤まさみさんら豪華キャストが出演する実写映画『シン・ウルトラマン』が、いよいよ劇場公開されます。予告編で話題を呼んだザラブ星人、メフィラス星人、ネロンガ、ガボラらが初登場したオリジナル版『ウルトラマン』の人気エピソードを振り返ります。この機会にオリジナル版もぜひチェックしてみてください。
禍威獣や外星人と戦うウルトラマン

空想、浪漫。そして、友情。
企画・脚本は庵野秀明氏、監督は樋口真嗣氏という、『シン・ゴジラ』(2016年)のヒットメーカーコンビが放つ、実写映画『シン・ウルトラマン』が2022年5月13日(金)より、いよいよ劇場公開されます。
4月18日には1分21秒の新しい予告編が、劇場やネット上で披露されました。禍威獣(カイジュウ)と呼ばれる巨大生物や外星人が日本に襲来し、禍特対(カトクタイ)が立ち向かうことが明らかになりました。
斎藤工さん扮する神永新二がウルトラマンに変身する『シン・ウルトラマン』とともに、ぜひ見返しておきたいのが、1966年~67年にTBS系でテレビ放映された空想特撮シリーズ『ウルトラマン』です。予告編で注目を集めたザラブ星人やメフィラス星人が初登場したオリジナルエピソードを振り返ります。
人びとの信頼関係を壊してしまうザラブ星人
ザラブ星人がその凶悪ぶりを見せたのは、『ウルトラマン』の第18話「遊星から来た兄弟」です。地球を訪れたザラブ星人は、地球人の兄弟だと名乗り、友好的な態度を見せます。
科学特捜隊の基地にも出入りするようになるザラブ星人ですが、フレンドリーな顔はまったくの芝居でした。しかも、ザラブ星人が化けたニセウルトラマンが街で暴れ、ウルトラマンの地球における信頼を貶(おとし)めようとするのです。
これまでもザラブ星人は、多くの星を滅ぼしてきたそうです。人びとの信頼関係をぶち壊すことで、その星を自滅に追い込むというのがザラブ星人の常套手段です。目のつり上がったニセウルトラマンと本物のウルトラマンが激突する、印象的なエピソードとなっています。
アキコ隊員を巨人化させたメフィラス星人
悪質宇宙人・メフィラス星人が地球を好き放題に蹂躙(じゅうりん)するのは、第35話「禁じられた言葉」です。「暴力は嫌いだ」と紳士を装うメフィラス星人ですが、背筋が凍るような心理ゲームを地球人に仕掛けてきます。
メフィラス星人は、フジアキコ隊員の弟・サトル少年に「地球をあげます」と言ってくれれば乱暴はしないとささやきます。しかも、戦争もなく、死ぬこともない天国のような星へ、サトル少年を連れていってあげると持ちかけるのでした。もしも、サトル少年が「地球をあげます」と口にしたら、地球はいったいどうなるのでしょうか。脚本家・金城哲夫氏のSFセンスが冴えわたるエピソードとなっています。
この回はアキコ隊員が巨人化して、ビル街を破壊した上に、メフィラス星人の支配下にあるバルタン星人、ザラブ星人、ケムール人も出現する、とても見どころの多い回としても知られています。
メフィラス星人は知能指数が非常に高く、さらに戦闘能力もウルトラマンとまったくの互角でした。ゲーテの戯曲『ファウスト』に登場する悪魔・メフィストフェレスが名前の由来となったメフィラス星人は、本当に恐ろしい侵略者です。