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【シャーマンキング30周年への情熱(68)】続編と関連作が描く壮大な戦いの序章を振り返る

「主軸となる最新作+脇を固める作品群」の関係

アニメ『シャーマンキング』最終回の放送後に流された、続編製作決定のスポット映像 (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
アニメ『シャーマンキング』最終回の放送後に流された、続編製作決定のスポット映像 (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京

 続編の主軸となっているのが『SHAMAN KING FLOWERS』(講談社、全6巻)と最新作『SHAMAN KING THE SUPER STAR』(同、5巻まで刊行中)です。『FLOWERS』が掲載誌の都合で未完となったため、新連載として始まった『THE SUPER STAR』は直接の続編でありながらもリブートに近い描き方をしています。ちなみにアニメの続編告知のPVでは『FLOWERS』の冒頭が描かれていました。

 この2作品ではチーム・ハオのメンバー集めが描かれており、ニューヒーローたちはもちろん、成長したお馴染みのシャーマンも登場します。しかし全員が協力するわけではなく、敵対の可能性すらある……という点に先の読めない驚きがあり、設定の新しい解釈なども含めて先がとても楽しみです!

 この脇を固めるのが、スピンオフ作品の『SHAMAN KING レッドクリムゾン』(講談社、全4巻)と『SHAMAN KING マルコス』(同、4巻まで刊行中)です。『レッドクリムゾン』は道家と東(ドン)一族の戦いが描かれています。

 東一族は太古の昔、民を扇動して道家を闇に追放した勢力で、道蓮(タオ・レン)が当主となって表舞台に出て来た現代に再び立ちはだかりました。ところがその彼らは先代シャーマンキング・ヤービスの陣営だったという内容です。『マルコス』はそれと同時期のX-LAWSと別のヤービス陣営との戦いが描かれています。アニメでも描かれたマルコとハオ、そしてラキストとの因縁をより掘り下げた内容で、初めて明かされる秘密もあります。

 このヤービスを描いた作品は、『SHAMAN KING -ZERO-』(講談社、全2巻)の2巻に収録されています。『ZERO』は短編集で、1巻には2021年の夏に出雲で行われた原画展「ゴーイング出雲」でも盛大に取り上げられた麻倉葉の出雲時代の話や、ホロホロとダム子の物語を詳しく掘り下げた話などが収録されています。2巻にはヤービスの話の他、「麻葉童子」の続きやガンダーラのリーダー・サティの過去話……原作者・武井宏之先生の別作品『仏ゾーン』との関連などが収録されており、さまざまな情報を補完できる作品です。

 さて歴代キングのチーム集めといっても、現状はヤービスの存在が大きく扱われています。それは作者・武井先生が現代社会に抱く、ある強い思いの現れなのですが……それが何なのかは皆さんご自身で感じてみてください。

 それでは今回はこの辺で! 次回もよろしくお願いします!

(タシロハヤト)

【画像】『シャーマンキング』作品群を分かりやすく整理! 物語の流れと単行本たち(9枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k