「セーブ方法とデータ消失」との戦いの歴史―『ドラクエ』パスワード、メモリーカード…
セーブ方法とデータ消失の危険は、時代とともに新たなステージへ

バッテリーバックアップは、任天堂系列のゲーム機だけでなくメガドライブなどにも採用されましたが、PCエンジンの場合は少々事情が異なり、「天の声2」と呼ばれる外部記憶装置が登場しました。
「天の声2」に対応するゲームのセーブが簡単にできたため、こちらも便利な存在です。しかし、容量が少ないのでやりくりに苦労する一面や、単三電池でデータを維持するため、電池が切れるとデータが消えるといった弱点も。電池自体は入れ替えられますが、データを守るためには、「PCエンジンと接続&通電」という状態で交換しなければなりません。
その後、PCエンジン向けの外部記憶装置は発展を遂げていきますが、ゲームソフトの媒体に初めて光学ディスクを採用した周辺機器「CD-ROM2」では、いよいよゲーム機本体にセーブデータを保存する形へと進化。現代でもお馴染みのスタイルは、当時からありました。
容量の問題も、外部記憶装置「天の声BANK」と連携することで、自由度がアップ。ただし、「天の声BANK」はリチウム電池式なうえ、ユーザー個人では電池の入れ替えができず、電池の寿命が尽きたらセーブデータも道連れで消失。非常に厳しい現実も待ち受けています。
リチウム電池がそれなりに長持ちしたため、現役でプレイしている最中にこの問題に直面した方はそう多くありませんが、当時を懐かしんで機器を立ち上げても、あの頃のデータとの再会は難しいかもしれません。
こうして本体に保存する流れも生まれ、セガサターンは本体保存と外部記憶装置「パワーメモリー」の二本柱で展開。しかし、当時一世を風靡した初代PlayStationは、「メモリーカード」と呼ばれる外部記憶装置のみでした。
この頃になると、データ破損によるセーブの消失はずいぶん減ったものの、扱うデータ量が多くなったため、容量のやりくりはむしろ厳しさを増しました。ヘビーユーザーになるほどその傾向は顕著になり、ゲームソフトが増えるに従い、メモリーカードを買い足す方が続出。新たな出費先が増え、ユーザーの懐を直撃します。
そうした容量不足のニーズに応え、大容量のメモリーカードが市場に登場し、一時期注目を集めました。しかし純正品ではないため、一部の商品が不具合を起こすケースも。筆者も一度購入しましたが、ほどなく認識自体がされなくなり、少なくないデータが事実上お亡くなりになりました。
外部記憶装置によるセーブ形式は、PlayStation 2やドリームキャストの時代にも活躍しましたが、PlayStation 3やWiiの時代に移ると、本体への保存が基本となりました。また、セーブデータの取り扱いに拡張性が加わり、その利便性は現代のものとほぼ同じ形になっていきます。
ここまで来ると、セーブデータを失う危険はかなり減りますが、未だにゼロとまではいきません。今はオンライン上にバックアップを残すことも可能なので、万全の体制を築き、悲劇に遭わないようにしたいものです。
(臥待)






