なぜ博士キャラには「黒幕説」が浮かぶのか?「いかにもな見た目」「謎のプライベート」
マンガやアニメによく登場する「博士」と呼ばれるキャラ。何かを発明していたり最先端の研究をしていたり、その卓越した頭脳はときに主人公の大きな助けとなります。……が、どうしてもぬぐい切れないのがそのあふれ出る怪しさ。今回は「博士」と呼ばれるキャラたちがなぜ怪しく感じられるのか、考えられるポイントを洗い出しました。
「博士」のスゴさは諸刃の剣
マンガやアニメに登場する「博士」と呼ばれるキャラは、『鉄腕アトム』のお茶の水博士に代表されるように、発明や研究によって主人公を助けることも多い貴重な人材です。しかし、それにもかかわらず読者や視聴者からは「実はアイツが裏のボスなのでは?」と黒幕説までささやかれてしまうほど、怪しい存在でもあります。そんな「博士」キャラが怪しく見えるポイントをピックアップしました。
●ひとりだけテクノロジー進みすぎ
まずは「博士」キャラがもつ圧倒的な技術力です。例えば『名探偵コナン』に登場する阿笠博士ですが、携帯もろくに普及していない時代にイヤリング型携帯電話、現代の技術でもまだ追いついていないキック力増強シューズなど、ハイテクアイテムを次々に発明しています。普通なら最新の設備が整った研究所で何人ものスタッフを抱えながら生まれるであろう発明を、自分の家でひとりで作ってしまう技術力はまさに天才です。
ほかにも『ワンパンマン』に登場するボフォイ博士もS級6位の「メタルナイト」をはじめとする遠隔操作式のロボットを使って戦う科学者です。自分の作るロボットを強くすることに執念を燃やし、保有している兵器の数を考えると、ひとりで「ヒーロー協会」と渡り合えるほどの戦力を持っています。
時代を一歩どころか10歩ぐらい先を行っている存在。この異質ぶりは「博士」が怪しく見える大きな要因と言えるでしょう。
●物語の重要ポイントのキーマン
「博士」はよく、物語が始まるキッカケや重要な転換点にからんできます。例えばゲームの『ポケットモンスター』に登場するオーキド博士は、ポケモン研究の第一人者として主人公にポケモン図鑑を渡すなど、旅の始まりの大きなキッカケとなります。また『ワンパン』のジェノスがサイボーグとして戦うキッカケとなったのはクセーノ博士の協力があるからです。ほかにもアニメ版『AKIRA』では「Dr.大西」という名札を付けた科学者が登場。鉄雄を実験体としてアキラの力の研究を進めたことで鉄雄の暴走へと繋がります。
「博士」の探求心は、主人公の助けにもなれば、世界を揺るがす災厄にもなります。この危うさも「博士」の怪しさを引き立たせるポイントと言えるでしょう。