往年の名作古典文学がテーマのアニメ4選!国語の勉強にもなる? 原作と比較
「源氏物語」や「平家物語」など、これまで日本文学を題材にしたアニメは数々作られてきました。果たして、アニメで日本文学を学ぶことはできるのでしょうか。日本文学科出身のライターが「原作に近い」「ある程度原作に忠実」「かなりアレンジを加えているので別物」といった参考になる度から解説します。
比較的原作に沿ったアニメは国語の勉強になる!
2024年の大河ドラマの主役が『源氏物語』を書いた紫式部に決定し、日本文学、古典好きの間では大きな話題を呼んでいます。過去、アニメでもさまざまな日本文学をテーマにした作品が作られており、「原作は読んでないけどアニメは観た」という方もいるかもしれません。
そんな日本文学をテーマにしたアニメは、果たして勉強につながるのか?この記事では大学で日本文学を学んでいた筆者が原作との比較をもとに、参考になる順番で紹介します。
●原作に忠実なストーリー展開!『源氏物語千年紀 Genji』
大学受験において特に出題される確率が高いといわれているのが、『源氏物語』です。しかし、「登場人物が多すぎる」「相関図が複雑でわかりにくい」と、苦手意識を持たれがちな作品でもあります。
2009年に放送されていたアニメ『源氏物語千年紀 Genji』は、そんな『源氏物語』を大きなアレンジを加えずに描いています。主人公・光源氏と彼を取り巻く魅力的な女性たちとの関係を描いたアニメを観賞した後、原作を読むと場面が具体的にイメージできて読みやすくなることでしょう。古文は場面をイメージできれば、理解度がぐっと高まるため勉強にも役立つはずです。
ただ、アニメ化されているのは光源氏が帝の恋人・朧月夜(おぼろづきよ)との逢瀬を理由に須磨へと旅立つエピソードまで。そこから先が気になった人は、自分で原文、現代語訳を読んでみてください。
●百人一首の「超訳」だけど興味を持つきっかけとしてはOK『超訳百人一首 うた恋い。』
2012年に放送されたアニメ、『超訳百人一首 うた恋い。』は百人一首を流行語や外来語を使ってかみ砕いて現代語訳した、つまり「超訳」した作品です。
百人一首はもともと藤原定家が鎌倉時代初期に選んだ和歌集であり、そのうち43首はロマンチックな恋愛模様を題材にしたもの。その背景にあった切ないドラマを、『超訳百人一首 うた恋い。』では諏訪部順一さん、石田彰さんといった魅力的な声優さんたちが演じる美麗なキャラクターを通して描いています。
教科書には書かれていないユーモアを加えて超訳している作品ではありますが、アニメは和歌文学を研究している東京大学の教授が監修しており、本格的な和歌の世界が学ぶことも可能です。百人一首を学ぶことで『ちはやふる』など他の作品をより楽しめるという意味でも、『超訳百人一首 うた恋い。』は押さえておきたい作品です。