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雨の描写に惹き込まれる!梅雨シーズンに観てほしいアニメ4選 曇天でも楽しくなる名作

主人公の心情を反映する雨

『おおかみこどもの雨と雪』ビジュアル (C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
『おおかみこどもの雨と雪』ビジュアル (C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

●ファンタジーながら現実味のある母とこどもの物語『おおかみこどもの雨と雪』

 こちらは『サマーウォーズ』で知られる細田守監督作品です。おおかみ男と結ばれ、普通とは違うふたりの子どもをもうけた主人公の花。誰にも頼れないなか、都会の喧騒を離れ、山奥の自然豊かな田舎町でおおかみこどもの雨と雪を育てていきます。幸せな時間は温かなひだまりのなかの映像が多いですが、辛く悲しいシーンには必ず降る雨が主人公を濡らし、重い現実を突きつけてくるのです。

 特に終盤あたりで訪れる台風のシーンは、主人公の心にも重い雨を降らせます。ラストに降る大雨は家族にとっての重要な選択を迫るクライマックスでもあり、壁とぶち当たってでも自分の世界を見つける雨と雪の心の内を表しているかのようです。大雨で生まれかわる世界と、ひとつの家族が自分の居場所を見つける、心温まるストーリーでした。

●その歌声は雨雲を呼び、恵みの雨を大地に注ぐ『それでも世界は美しい』

「花とゆめ」で連載されていた大人気マンガのアニメ化です。美しい歌声で雨を呼ぶ、「アメフラシ」の能力をもつ「雨の公国」の第四公女・ニケ。彼女は国のため「晴れの大国」の太陽王・リヴィウス一世に嫁ぐこととなります。しかし、リヴィウスはまだ若い少年でした。晴れの大国には雨が降らず、リヴィウスは雨を見たことがないので暇つぶしに降らせてみよ、というのです。術者であるニケが世界の美しさを実感しなければ雨は降らないので、リヴィウスは「世界の美しさ」を探していくことになります。

 歌で雨乞いを行い、そこから雲を呼び雨を降らせる描写が美しく、雨を求める人間の心に呼応して落ちる雫は、雨が天の恵みであったことを思い出させてくれます。必要なのは想いと実感。雨の使い方、雨とのつき合い方を教えてくれるような作品です。

(綿貫)

【画像】雨だからこそ見てほしいアニメ作品一覧(4枚)

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