2次元世界の漫画家キャラ4選 作者の「理想」か「現実」か 売れない苦労人も多い…
マンガの世界にも漫画家はいます。売れっ子も売れない漫画家も、キャラクターとしてはどちらも魅力的。そんな2次元世界の漫画家キャラを紹介します。
「売れっ子」「不人気」、どちらも魅力的な漫画家キャラ
アニメやマンガに、架空の作品を手掛ける漫画家キャラが登場することはよくあります。そしてその多くがミステリアスでキテレツな魅力を持った人物として描かれ、実際に読者にも愛されています。この記事では漫画家そのものを題材にした作品(『バクマン。』など)以外の、強烈な漫画家キャラを紹介します。
●気づけばスピンオフの主人公『ジョジョの奇妙な冒険』の岸辺露伴先生
数多の「漫画家キャラ」のなかでも『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』(著:荒木飛呂彦)に登場する漫画家・岸辺露伴先生は熱狂的なファンが多数います。4部の舞台・杜王町に住む人気漫画家で、『ピンクダークの少年』という作品を「週刊少年ジャンプ」に連載中……という設定でした。
当時20歳ながら売れっ子で、複雑な構図であろうと下書きなしで一気に描きあげる天才漫画家、そして漫画の題材のためなら手段を選ばない狂気の持ち主です。相手を「本」のようにして思考や経歴を読み取るスタンド「ヘブンズ・ドアー」を操ります。最初は主人公・東方仗助らと敵対し、激しいスタンドバトルを繰り広げたのちに敗北。しかし、その後も偏屈でどこかいじらしいキャラクターが読者に愛され、気づけば物語の中心的存在になります。
さらに、彼を主人公にしたスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』も大ヒット。高橋一生さん主演で製作された実写ドラマも話題を集めました。ちなみに、よく露伴先生は作者である荒木先生がモデル(似ているところは確かに多い)と言われていますが、実際のところは荒木先生にとってはこうありたいと思う「憧れの存在」とのことです。
●ひたすら編集部から軽んじられている不遇作家『ギャグマンガ日和』夢野カケラ先生
漫画家キャラの多くは売れてなかったり、編集に振り回されっぱなしだったりするもので、その際たる例が『ギャグマンガ日和』(著:増田こうすけ)に登場する漫画家・夢野カケラ先生です。彼はとにかく編集部から軽んじられており、誤植も直してもらえず、定期的に登場するたびに編集より唐突に打ち切りが伝えられ、最終回は数ページしか与えられず、無駄に広げた風呂敷をたたんですべての帳尻を合わせるためのむなしい作業に躍起になります。
夢野先生はこの「終わらせる」手腕だけは評価されており、編集部からは「3ページの貴公子」と呼ばれていました。代表作に『ソードマスターヤマト』『デーモンバンパイア』などがあり、後者は全話合わせて4ページ(初回3ページ+最終回1ページ)の作品に……。本人の実力の低さも原因ですが、もっとマシな出版社に持ち込んだ方がいいかもしれません。