もし『聖闘士星矢』の沙織がアイオリアと聖域に行ったら…「十二宮編」は全く違う展開に?
ギリシャ神話の女神アテナに従い、地上を守る「聖闘士(セイント)」の活躍を描く大人気マンガ『聖闘士星矢』で、光速の拳を放つ獅子座のアイオリアはアテナ・沙織に忠誠を誓いますが、単独で聖域に戻り、洗脳されます。もし、アイオリアが沙織とともに聖域に行こうとしたら、どうなったでしょうか。
最強の黄金聖闘士が忠誠を誓ったのに……
1986年に連載開始し、2022年の現在までに5000万部を超える大ヒットを記録した少年マンガ『聖闘士星矢』は、ギリシャ神話を題材とした壮大な世界観や、星座をモチーフとした鎧「聖衣(クロス)」、人間の内に眠る小宇宙(コスモ)で奇蹟を起こす戦闘描写などが人気を集めています。
同作の世界観では、邪悪と戦うために、女神「アテナ」が数百年ごとに人間の姿で転生します。現代に赤子として転生したアテナは、聖域を支配する偽の教皇に命を狙われます。アテナはグラード財団総帥・城戸光政に保護され、成長した赤子は光政の孫娘「城戸沙織」となりました。
聖域と聖闘士を支配している、偽の教皇サガは、沙織の抹殺を試みます。聖闘士でも最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)である獅子座のアイオリアに、勅命を与えたのです。その内容は、アイオリアの兄である、射手座の黄金聖闘士アイオロスによって持ち出された黄金聖衣の奪還。そして、聖闘士の掟で禁じられている「私闘」を行った星矢たちの抹殺です。
アイオリアは「逆賊」として殺された兄・アイオロスの弟で、長年疑惑をかけられていましたが、「仁・智・勇を備えた聖闘士の鑑(かがみ)」と呼ばれる人物であり、星矢たち青銅聖闘士(ブロンズセイント)の抹殺は自分ひとりで十分として、単独で日本を訪れます(ちなみにサガは蠍座の黄金聖闘士・ミロも同じ任務に就かせようとしていましたから、星矢たちを軽んじてはいません)。
アイオリアは黄金聖闘士でも屈指の実力者で、星矢を圧倒します。しかし星矢に黄金聖衣が装着され、そこに亡きアイオロスの意志を感じたことで、教皇に疑念を抱くことになります。アイオリアは城戸沙織に忠誠を誓い、星矢を自らの拳より庇って負傷した蛇遣い星座(オピュクス)の女性白銀聖闘士シャイナを保護し、聖域に帰ります。
ここで沙織はアイオリアに「死んではなりませんよ」と声をかけますが、引き留めてはいません。もし、沙織が「その方(シャイナ)はグラード財団の医療技術で治療します。アテナとして命じます。単独で聖域に行ってはなりません。聖域にはわたしや星矢たちと行くのです」とアイオリアに命じたら、どうなっていたでしょうか。
アイオリアは「アテナに対する忠誠心が強い」ことで知られる実直な人物ですから、沙織が命令すれば、従ったのではないでしょうか。