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人気漫画家たちの伝説的取材エピソード 「取材対象が逮捕?」「オリラジが同期」

「リアリティ」を超えてもはや「リアル」!? 究極の取材

大胆過ぎる取材で圧倒的リアリティを誇る裏社会マンガ『闇金ウシジマくん』1巻(小学館)
大胆過ぎる取材で圧倒的リアリティを誇る裏社会マンガ『闇金ウシジマくん』1巻(小学館)

●取材した人がのちに逮捕もされる……『闇金ウシジマくん』真鍋昌平先生

 特殊な業界を描いた作品にリアリティがあるかどうか、判断するのは「現場」の方々です。そんななか、ドラマ、映画もヒットした『闇金ウシジマくん』の作者・真鍋昌平先生の精緻な描写には裏社会に精通した方々も瞠目したと言われています。読むたびにみぞおちあたりに黒い感情が生まれる『ウシジマくん』ですが、あの圧倒的な臨場感は真鍋先生のチリひとつ見逃さないような観察眼によって成り立っていたのです。

 例えば「ホスト編」執筆の際にホストの寮に訪れた際は、ゴミ箱や冷蔵庫のなか、さらには排水溝に落ちている髪の毛まで「人間関係の象徴」として写真に収めたとのこと。確かに『ウシジマくん』で描かれる退廃的な生活のリアリティには、放置された「ゴミ」が大きく貢献しています。

 また、真鍋先生は「本職」の方々も「恐怖より興味が勝つ」(堀江貴文氏との対談での発言)として、直接取材を敢行します。取材のコツは「ゆっくり距離を詰める」ことであり、気に入られすぎて鬼電がかかってくることもあったとか。さらに、かつて強盗シーンを描くために取材を申し込んだその筋の方が、のちに本当に強奪事件を起こして捕まったこともありました。『ウシジマくん』はリアリティどころか、もう「リアル」なのです。

 恐怖や煩わしさを上回る、「知りたい」という気持ちと「描きたい」という執念。ただただ漫画家の先生たちには感服するばかりです。

(片野)

【画像】綿密な取材も面白さの理由!リアルな人気マンガたち(4枚)

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