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ファン歓喜なぜ?『ククルス・ドアン』登場で話題「シャア専用高機動型ザクII」とは

40年前から因縁? R型とシャア

ジョニー・ライデン搭乗の06R-2は、シャアと同じく赤いカラーリングが特徴的。地球連邦軍が「赤い彗星のRタイプ」と誤認したという逸話も。画像は「HGUC 1/144 MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザク (MSV)」(BANDAI SPIRITS)
ジョニー・ライデン搭乗の06R-2は、シャアと同じく赤いカラーリングが特徴的。地球連邦軍が「赤い彗星のRタイプ」と誤認したという逸話も。画像は「HGUC 1/144 MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用ザク (MSV)」(BANDAI SPIRITS)

 今回の劇場版に登場することになるシャア専用高機動型ザクIIですが、その存在に違和感を覚える人も少なくありません。その点も注目してみましょう。

 本来のR型の設定は一年戦争中期、量産型であるザクII(MS-06F) をベースに宇宙用にグレードアップした機体として開発されたものでした。しかし、前述した『オリジン』では開戦当時から黒い三連星の愛機として登場しています。

 この『オリジン』世界とも言うべき時間軸の流れで誕生したシャア専用高機動型ザクIIも、鎖骨部分にバルカン砲のある『オリジン』独自のタイプで、本来のR型とは若干デザインが異なっていました。

 そして、文中でお気づきになった人もいるかと思いますがR型は宇宙用。今回の劇場版の舞台は地球上です。つまり宇宙用の出番は本来ありません。これに関しては、往年の名シーンをあらためて『オリジン』版として製作したように、シャア専用高機動型ザクIIは大気圏突入前の戦いでガンダムと戦うと発表されていました。つまり、回想シーンでの登場ということらしいです。

 ちなみにMSVでの設定では、R型は高性能でしたが生産数は極端に少なく、合計で80機程度しか実戦配備されていません。諸説ありますがザクIを含めたザクの総生産数は約8000機、そのうちF型は3246機とされています。その数字から、いかにR型の生産数が少なかったかわかるというもの。

 このため、R型を欲しかった熟練パイロットの間では、「連邦軍の戦艦を沈めるよりもRタイプを手に入れるほうが難しい」とまで言われたそうです。そう考えると、作中ではR型に搭乗するということは、エースにも匹敵するステータスだったに違いありません。

 地上でも使える万能型のS型のパイロットであるシャアがどういった経緯でR型に乗り換えたかはわかりませんが、上記したR型の逸話を考えると、仮面の下はドヤ顔だったことでしょう。

 そういえばMSVの時の設定に、ジョニー・ライデン搭乗の06R-2を地球連邦軍が「赤い彗星のRタイプ」と誤認したという逸話がありました。まさか、その40年後に本当にシャアがR型に搭乗するとは誰も想像しなかったことでしょう。

 一応、ゲームブック『機動戦士ガンダム 最後の赤い彗星』で、幻の06R-2の5号機に乗ったシャアがトワニングのガルバルディと戦うという物語がありました。しかし、オフィシャルとは言えないと思うので、やはり今回のシャア専用高機動型ザクIIが初めてのシャアが搭乗したR型と言えるかもしれません。

(加々美利治)

奥深い! ザク「R型」シリーズを画像で見る(5枚)

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