迷惑だけど欠かせない!マンガのトラブルメーカーキャラ なぜか憎めないバカたち
身体は小さめでも、しでかすことは大きいトラブルメーカー僧侶

●「嵐を呼ぶ園児」一家を振り回すバカップル『クレヨンしんちゃん』ミッチー&ヨシりん
『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけは、さまざまなトラブルでまわりの大人を振り回す「嵐を呼ぶ園児」。5歳にして立派な「トラブルメーカー」です。しかし、同作には、豚のヒーロー・ぶりぶりざえもんや高飛車な幼稚園のまつざか先生、「リアルおままごと」が大好きなクラスメイトのネネちゃん、レトロなスケバン3人組の「埼玉紅さそり隊」などが登場し、もはやトラブルメーカーの見本市のようでもあります。
そんななかでも、ウザさが際立つトラブルメーカーなのがミッチー(鳩ケ谷ミッチー)&ヨシりん(鳩ケ谷ヨシりん)のラブラブ新婚ペアです。ふたりと野原一家はハワイ旅行の際に出会い、傍若無人なウザい熱々ぶりを見せつけられ、ヒロシは何度も写真を撮らされました。
その後、偶然野原家の近所に引っ越してきたミッチー&ヨシりんは、夫婦喧嘩のたびに野原家に上がりこむと、すき焼きなどのごちそうをちゃっかり食べていくなど、しんのすけですら文句を言うほどの勝手極まりない迷惑行為を続けています。しかも夫婦喧嘩の内容は「耳掃除は耳かきでするか? 綿棒でするか?」など、どうでもいいことばかり。しかし、ちょっと歪んではいても、そこにちゃんと愛があるからこそ憎みきれません。
●僧侶なのにトラブルメーカー『うる星やつら』錯乱坊
小さな体で大きなトラブルを起こすのが、『うる星やつら』に登場する「チェリー」こと錯乱坊です。ドタバタラブコメディの『うる星やつら』のキャラは、基本的にみんなトラブルメーカー気質ではありましたが、そんななかでも「不吉じゃ!」、「運命(さだめ)じゃ!」という言葉とともに突然ドーンと出没するチェリーは、特に目を引く男でした。
法力を使えたり、物の怪や幽霊等の存在をいち早く察知したり、魔を封じ込める饅頭や妙薬を作ったり、除霊もできたりと、僧としての能力は高いのでしょう。しかし、除霊を失敗して奇妙な物の怪を召喚してしまい、さらにドタバタが増すことも珍しくなく、「トラブルを呼ぶ僧侶」は出てくるだけでその後のさらなる大事件を予感させる存在でした。
●国王なのにトラブルメーカー『パタリロ』パタリロ
パタリロは、天才的な頭脳と超人的な身体能力を持つ、マリネラ王国の若き国王です。恵まれた資質を持っているにもかかわらず、他人をからかうのが大好きで、トラブルばかり起こしています。
ダイヤモンド鉱山で新しい鉱脈を発見するために発破をかけるのを見学に行ったパタリロ。迷子になって爆発に巻き込まれた彼は、過去にタイムスリップしてしまいます。そして、パタリロ7世と遭遇した結果、7世、8世のダブルパタリロによって、現代トラブルも2倍に……。ほかに、24世紀のパタリロ10世が現代にトラブルを持ち込むエピソードもあり、パタリロはどの時代にいても、トラブルメーカーであることがわかります。
身体は小さくても、時代を超えてまでトラブルを発生させるパタリロですが、本当に困っている人のことは命をかけて守ろうとするので、意外と憎まれてはいないようです。
(山田晃子)