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中身が気になる…ジャンプ人気作を扱った学術論文 『北斗の拳』の「顔」の研究とは

大学で発表される学術論文のなかには、誰もが知る人気「ジャンプ」作品を題材にしたものも少なくありません。人気マンガが、学問の世界で具体的にどんな扱われ方をしているのか、ご紹介します。

学術論文だけど……マンガ愛がほとばしる!「ジャンプ」作品を扱った論文たち

「時制」についての学術論文が描かれた『ドラゴンボール』1巻(集英社)
「時制」についての学術論文が描かれた『ドラゴンボール』1巻(集英社)

 今やマンガやアニメは、文学や音楽、映画などと並んで立派な「研究対象」です。「週刊少年ジャンプ」で連載されていた誰もが知るマンガも、アカデミックな現場では論文の題材として大いに活躍しています。幸い、学術的な「論文」は誰でも検索可能なものです。果たして、あの「ジャンプ」作品はアカデミックな領域でどのように扱われているのでしょうか?

※なお論文ともなると専門性が高いので、この記事ではあくまでも「タイトル」と「専門用語」の解説程度にとどめたいと思います。

●子供たちの時制概念の理解を助けている?『ドラゴンボール』を扱った論文

 最も有名な「ジャンプ」作品のひとつ『ドラゴンボール』(著:鳥山明)で、論文の検索をしてみましょう。ありました。それも「機関リポジトリ」と呼ばれる研究機関が管理する学術論文の、公開アーカイブに複数確認できました。そのなかでも目を引くのが、以下の論文。

「高学年児童の時制理解と映像の手がかりに関する研究―― 「ドラゴンボール」における時制表現の変化――」

 こちらは、「茨城大学教育実践研究」という紀要にて発表された論文。著者は同大特任教授・村野井均氏と准教授の小林祐紀氏です。アニメ『ドラゴンボール』内の時制表現(過去や未来を表す方法)がいかに豊かであり、それでいて子供らの理解に貢献しているかを考察した論文です。「背景色変化」「セピア」「暗転」「2 重写し」など、アニメメ『ドラゴンボール』のさまざまな時制表現を分析しています。こちらはネットでも閲覧可能となっています。

●『鬼滅の刃』と『ジョジョの奇妙な冒険』がひとつの論文の題材に!

『鬼滅の刃』(著:吾峠呼世晴)といった近作もまた例外ではなく「研究対象」となっていますが、そのなかでも注目したいのは次の論文です。

「残酷な「異形化」 : 『ジョジョの奇妙な冒険』虹村兄弟と『鬼滅の刃』不死川兄弟の葛藤」

 こちらは、「神戸大学国際文化学研究推進センター研究報告書」にて発表された論文。著者は同センターの協力研究員である植朗子氏です。

 まさかの同じく「ジャンプ」の超人気シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)との、あわせ技。第4部に登場する虹村虹村形兆・億泰の兄弟、そして『鬼滅』に登場する不死川実弥・玄弥の兄弟を題材に、「『異形化したモノ』にかつての記憶が宿っている場合でも、その人物を過去に愛していた人物は変わらずに愛することができるのか」を考察した論文です。読んだ方はご存じの通り、どちらの兄弟も家族が「異形」になる悲劇に見舞われていますね。時にユングやデカルトなどを援用した(少なくとも素人眼には)、奥深い論が展開されています。こちらもネットで閲覧可能です。

【画像】論文にまでなったジャンプ人気作!理解を助けるサブテキストも(9枚)

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