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名は体を表さない?名前と能力のギャップが凄い『ジョジョ』スタンド 「恋人」なのに

能力とその名前は普通、ある程度関連するものですが『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド能力と名前は一筋縄ではいかないようです。今回は、よくよく考えたら関係はあるけど、初見でそのネーミングと能力にギャップがあるスタンドを振り返ります。

エンヤ婆の一方通行すぎる「正義」

「正義」を操るエンヤ婆が表紙の愛蔵版コミックス『ジョジョの奇妙な冒険 [函装版]JOJONIUM』11巻(集英社)
「正義」を操るエンヤ婆が表紙の愛蔵版コミックス『ジョジョの奇妙な冒険 [函装版]JOJONIUM』11巻(集英社)

『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)に登場するスタンド能力には、それぞれ個性的な名前がつけられています。スタンド能力が登場した第3部ではタロットカードやエジプトの神々がその名前の由来でしたが、第4部以降は基本的に荒木先生が愛してやまないバンド名や、曲名からつけられるようになりました。そのなかには、第5部に登場する意思を持った「弾丸」たちのスタンド「セックス・ピストルズ」のように、「名前」と「能力」がぴったりの場合もあれば、「なぜその能力でその名前?」と思わず驚いてしまう組み合わせのものもあります。この記事では名前とのギャップが凄くて、印象に残るスタンドたちを振り返ります。

●どこに「恋」要素があるのか? 第3部「恋人(ラバーズ)」

 第3部に登場するスタンド名は、「タロットカード」の暗示に由来することは述べました。例えば「太陽(サン)」の暗示をもつスタンドであればその能力も本物そっくりの太陽を出現させるものであったり、「死神」の暗示を持つ「デス13」は悪夢へと引きずりこむ死神のスタンドだったりと、ある程度はその「名前(暗示)」と能力・ビジュアルに関連性が認められます。

 ところがDIOの刺客のひとり・鋼入りのダンのスタンド「恋人(ラバーズ)」に関しては、名前と能力の噛み合わなさが絶妙です。「恋人」の暗示を持つならばハニートラップ的な能力になるのかと思いきや、「極小スタンドが相手の耳から脳に侵入し、本体と感覚を共有させる」という能力でした。ビジュアルもバルタン星人のようで、鳴き声は「マギーッ」と奇天烈。全く甘い雰囲気ではありません。ただ、タロットの「恋人」には「共感」や「調和」の意味もあり、「相手と本体の感覚が共有される」という点は、捉え方次第では「恋人」感を見いだすことができます。

●「正義」とは何か? 第3部「正義(ジャスティス)」

 同じく第3部で気になるのが、上記の「恋人」によって「肉の芽」を暴走させられ死んだ、エンヤ婆(こちらも名前の元ネタのアーティストと違い過ぎますが)のスタンド「正義(ジャスティス)」です。敵スタンドの名前が「正義」なのですから、まったく『ジョジョ』は最高です。

「正義」は霧状のスタンドで、相手の傷口から侵入しその部分に大きな穴をあけて思うままに操作することが可能(死体も操作でき、何体も同時に操れる)、さらには幻覚を見せることもできます。ポルナレフの舌を傷つけ、便器を舐めさせようとするなど、作中の使い方含めどうにも正義とは程遠い能力にも思えるスタンドです。

 とはいえ本体であるエンヤ婆はポルナレフに仇討ちで殺された息子J・ガイルの復讐を果たすため、さらには崇拝するDIOへの忠誠心のため、スタンド攻撃をしかけているのであり、彼女のなかでは確固たる「正義」が成立していたとも言えそうです。またタロットは逆位置だと意味が逆転し、正義は「不正、不公平、一方通行」などの暗示になるので、能力やエンヤ婆の性格ともマッチしています。

【画像】名前に対してまさかの能力!『ジョジョの奇妙な冒険』の強烈スタンドを振り返る(7枚)

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