麻雀を覚えたきっかけのマンガは? イカサマと哲学、勝負師の世界に憧れる名作たち
「麻雀を始めたきっかけ」がマンガだという人も多いはず。日本のマンガ文化のなかでも、「麻雀マンガ」は数多くの作品があります。この記事では、多くの人々を実際にプレイヤーに引き込んだ、人気麻雀マンガを紹介していきます。
勝負の世界に憧れる!読むと打ちたくなる麻雀マンガ

麻雀界は「Mリーグ」や「雀魂」の流行など、近年さらなる盛り上がりを見せています。今の時代だと、こういったコンテンツから麻雀に興味を持って始める方も多いかもしれませんが、これまでに麻雀を覚えた人たちのなかには、「きっかけはマンガ」だったという方も多いのではないでしょうか。作中の描写だけでルールはわからずとも、登場人物たちのかっこよさや勝負の熱さにシビれて実際に覚えてみた……なんて方もいるはずです。
テーマを麻雀に絞ったマンガ雑誌「近代麻雀」はいまだに根強い人気を誇っていますが、かつては「近代麻雀オリジナル」「近代麻雀ゴールド」などの姉妹誌まで発行されていた過去があるなど、日本において「麻雀マンガ」は一大ジャンルといえます。
この記事では、多くの人が麻雀を覚えるきっかけとなったであろう、人気麻雀マンガを振り返ります。
●『哲也-雀聖と呼ばれた男』
「週刊少年マガジン」で連載されていた『哲也-雀聖と呼ばれた男』は、少年誌での連載ながら、相当な人気を誇る麻雀マンガです。大きな魅力のひとつは、戦後すぐの手積み時代だからこその「イカサマ」。主人公・阿佐田哲也の「イカサマってのは 相手にバレて初めて イカサマになるんだ」というセリフが象徴する通り、同作ではイカサマも美学のひとつとなっています。
哲也の師匠的な立場である房州が発した「まいっちゃうよなァ、こりゃ天和(最初の14枚の配牌でアガっている状態)だ」など、作中には印象深いセリフも多数。麻雀中に天和を自力でアガった米兵が射殺されたことすらあり、その容赦ないダーティな世界観に憧れを抱いた人も多いでしょう。
ルールがわからなくても楽しめるマンガでありながら、読んでいると強烈に麻雀を打ちたくなる作品です。『哲也』から入った人は、狙った目を出すサイコロの振り方や、手牌と自山下段の14枚(天和完成済)をスキを突いて入れ替えるという高度過ぎるイカサマ「つばめ返し」の練習をした人も多いのではないでしょうか。
●『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』
麻雀マンガの金字塔とも言われる『アカギ』。作者は「カイジ」シリーズ、『銀と金』『天 天和通りの快男児』などでも知られる福本伸行先生です。
本作の魅力は何といっても、主人公・赤木しげるのかっこよさにあります。相手の根本まで見透かした上で繰り出される、常軌を逸した戦術。そして、どちらかが倒れるまで、勝負の後は骨も残さないとまで言う、筋金入りの狂気。憧れずにはいられません。
借金まみれの南郷に向かって放った赤木の最初のセリフ、「死ねば助かるのに……」をはじめとする、福本先生独特のセリフ回しは非常に中毒性が高いです。「……きたぜ ぬるりと…」「じじぃ…その牌だ…!」などのセリフは汎用性が高く、『アカギ』で麻雀を覚えたという方は、実戦で一度は口にしたり、思い浮かんだりしたことがあるはずです。