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麻雀を覚えたきっかけのマンガは? イカサマと哲学、勝負師の世界に憧れる名作たち

これまでと全く違う層を取り入れた「麻雀能力バトル」

異色の美少女麻雀マンガ『咲-Saki-』1巻(スクウェア・エニックス)
異色の美少女麻雀マンガ『咲-Saki-』1巻(スクウェア・エニックス)

●『咲-Saki-』

 麻雀の新たなファン層を開拓した作品と言えるのが、美少女麻雀マンガ『咲-Saki-』です。主人公は女子高生、絵柄もいわゆる「萌え絵」。ページからタバコの煙が立ち上ってきそうなこれまでの麻雀マンガとは、まったく異なるものでした。

 そしてもうひとつの特徴が、対局中にもはや超能力と言えるレベルの個性がぶつかり合うこと。主人公の宮永咲は嶺上開花が得意で、3連続カンからの嶺上開花で数え役満をあがるなど、ありえない芸当を見せます。

 他のキャラもすさまじい能力を持っていますが、なかでも読者を驚かせたのが、東横桃子というキャラクターでした。彼女は「ステルスモモ」の異名を持っており、なんと対局者が彼女を認識できません。彼女がリーチをしても気づかれず、逆に当たり牌を出しても気づかずロンできないのです。

 こんなぶっ飛んだ要素もありつつ、団体戦をメインにして女子高生どうしの友情が描かれるなど、これまでの麻雀マンガにない魅力が詰まっています。一大ブームを巻き起こし、麻雀ファンの裾野を広げました。

●『天牌』

『天牌』は、これまで紹介してきた作品よりは、リアルに近い世界観の作品です。麻雀マンガでは裏世界を描くのが王道なだけに、『天牌』でもヤクザが出てくるのですが、ほかにも現役東大生だったり、酒屋の息子だったり、様々な境遇の人物が登場する群像劇となっています。そして、それぞれのドラマが濃く、ハードボイルドな魅力に満ちているのです。

 谷口隆の弔い戦でのベテランの入星、三國、黒沢によるセリフ「そこに北はあるんだよ」「俺たちはその場所に北が存在するために摸打を繰り返してるんだ」「せっかく3人で作り上げた麻雀の血流が 血栓よろしく 坊や1人で止まっていることを自覚しな」は、本作の魅力が凝縮された屈指の名言でした。正直、理論は現実的ではなく理解しづらいのですが、強者の哲学を目の当たりにすると、憧れざるを得ません。

 現代はオンラインでの麻雀がかなり浸透していますが、『天牌』は麻雀をやりたくなるのはもちろん、雀荘に行きたくなるマンガとも言えるでしょう。

(古永家啓輔)

【画像】麻雀マンガは多種多様!読めばルールを覚えたくなる?(9枚)

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