【漫画】学校では地味な委員長 意外な趣味を知ったクラスメイトの反応が「ほんわかして好き」
メタルやグラインドコアなどの音楽が好きなことを、学校では秘密にしている委員長。派手な服に着替えてライブに行った帰り道で、ナンパ男につきまとわれているクラスメイトを見かけて……。ゲンキダウンさんの創作マンガ『グラインド委員長』が読者から好評です。
まわりには秘密にしていた「過激な音楽」が好きな本当の自分
学校では「地味で真面目そう」というイメージの委員長。しかし、実際には激しい音楽が好きで、月に1度はライブに行ってストレスを発散させています。そんな委員長が、派手な服を着てライブを楽しんだ帰り道で、ナンパに困っている様子の女子を発見。よく見ると、その女子はクラスメイトで……。
ゲンキダウンさん(@genkidown)による創作マンガ『グラインド委員長』がTwitterで公開されました。作品タイトルのなかの「グラインド」は音楽ジャンルに由来しています。周囲には秘密にしている意外な一面を持った委員長とクラスメイトの交流を描き、ほんわかと心温まる作品です。
読者からは「とても良い」「このオチ好き」「雰囲気も絵柄もストーリーもキャラクターたちも何もかも好み」「このふたりのその後をもっと見たいなぁ」などの声があがりました。また、「ライブの盛り上がり方がすごく分かります」など、音楽に関するコメントも多く見られ、Twitter投稿が2万いいねを超える話題作となっています。
作者のゲンキダウンさんに、お話を聞きました。
ーーゲンキダウンさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
イラスト自体は昔から描いていたのですが、2011年頃に同人活動を始めた際、より深い表現やメッセージを作品に込めたいと思い、マンガを描き始めました。当時は、今からは考えられないくらい暗い話や残酷な話を描いていたのですが、それも良い思い出というか、今のマンガの糧になっていると思います。
ーー『グラインド委員長』のお話はどのように生まれたのでしょうか?
もともと2年前にTwitterに投稿した『地味で真面目そうな委員長の趣味がメタルを聴く事だった』という4コマ作品が元になっています。その時に委員長が聴いていたのはグラインドコアではなくスラッシュメタルだったのですが、よりアンダーグラウンドなジャンルのほうがギャップが大きいだろうというのと、自分自身がグラインドコアが大好きなので、変更しました。4コママンガを20ページに膨らませるのは思ったより大変でしたが、楽しかったです。
ーー登場人物の「奈紗夢」の名前が珍しいなと感じました。どのように名付けたのでしょうか?
スウェーデンにかつて存在したグラインドコアバンド「Nasum(ナザム)」をもじりました。自分自身がナザムの大ファンだということもありますが、「奈紗夢」と書くと実に女の子らしい響きになり、ギャルっぽさも加わってかなりしっくり来たので採用に至りました。『グラインド委員長』を読んでくれた方のなかにも、この「奈紗夢」の元ネタに気付いてくれた人がけっこういて、うれしかったです。
ーー本作のオチについては「数パターン用意しててかなり迷った」そうですね。ほかにはどのような案が候補としてありましたか?
パターンとしてあったのは、「奈紗夢にグラインドコアを聴かせたらハマったので、ふたりで一緒にライブに行こうと約束する」オチや、「翌日、ふたりが一緒に登校したら、悪質な生活指導の先生に奈紗夢がお尻を触られて、それに委員長が切れる」というものや、さらに「切れた委員長が先生を殴って停学になる」などの案でした。
最初は、「委員長の名前って何だっけ?」というオチが弱いと感じたのでこれらのオチも考えたのですが、まず「一緒にライブに行こうと約束する」オチは、奈紗夢がグラインドコアにハマるのがどうも無理やりな気がして没にしています。また、残りふたつのオチは、グラインドコアの荒っぽさを表現しようとして用意したのですが、生活指導の先生が唐突に出てくるのがどうしても気に入らなくて……。せっかく出てきたキャラを皆いい人に描いていたのに、ここで変な先生を出すのもどうかと思い、没にしました。
結果的には、実際に採用した「名前が分からない」オチが一番きれいにまとまっていたので、良かったと思います。
ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。
やはり「話が良い」や「絵が良い」などの感想を多くいただけたのがうれしかったですね。個人的に、あまり絵に自信がないほうなので「絵が良い」と言っていただけたのは、意外というかうれしい驚きでした。あとは「続きが読みたい」という感想をたくさんいただいたのも本当にありがたいです。それから、先の質問でも答えましたが、奈紗夢やツイスト・ザ・ナイフといったキャラクター名の元ネタを分かって下さる方がおられたのも楽しかったです。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
基本的に読み切り作品が好きなので『グラインド委員長』の続きを描くかは今は未定ですが、今後何か思いつけば、後日談のショートマンガといった形で何か発表することはあるかもしれません。これからもどんどん、ちょっとクスリと笑えるようなマンガを描いていきますので、またチェックしていただければ幸せです。
(マグミクス編集部)