マグミクス | manga * anime * game

もっと活躍が見たかった!『ジョジョ』の途中離脱した強力スタンドの味方キャラたち

数々の魅力的なスタンドが登場する『ジョジョの奇妙な冒険』では、主人公側のキャラたちは個性派ぞろいで推しキャラが見つけやすいです。しかし戦いに敗れたり、仲間から抜けたり、色んな理由で登場しなくなってしまう味方キャラもいました。今回は、もっと活躍が見たかった、途中退場した各部の味方キャラを振り返ります。

重ちーはあとちょっとで吉良に勝てたはず

作中で2回退場したアヴドゥルが表紙の『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 DVD12巻(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)
作中で2回退場したアヴドゥルが表紙の『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 DVD12巻(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

 数々の魅力的なキャラとスタンドが登場する『ジョジョの奇妙な冒険』(著:荒木飛呂彦)は、特に主人公サイドに人気キャラが多いです。しかし、味方キャラでも、バトルで敗北したり、離脱したりで容赦なく退場させられてしまうのが『ジョジョ』の特徴です。今回は「もっと活躍が見たかった味方の途中離脱キャラ」を振り返ります。

●第3部:ポルナレフを導き、救うために犠牲になったモハメド・アヴドゥル

 第3部序盤から登場した占い師・アヴドゥルのスタンド「マジシャンズレッド」は炎を自在に操り、あらゆるものを溶かして穴を掘ることも可能な強力すぎる能力です。生まれついてのスタンド使いで、自身以外のスタンドにも詳しく、とても頼りになる仲間でした。

 その能力の真価が発揮された初戦は肉の芽に侵されたポルナレフとの戦いで、エジプト十字型の炎を放つ必殺技「クロスファイヤーハリケーン(C・F・H)」も飛び出します。ポルナレフの騎士道精神に感銘を受けて命を救うところまで、真面目で熱い男・アヴドゥルの魅力が光ったバトルです。

 その後、アヴドゥルはホル・ホースと「吊られた男(ハングドマン)」(J・ガイル)戦で、ポルナレフを救おうとしてホル・ホースの「皇帝(エンペラー)」の銃弾に倒れます。しかし、その死は偽装であり、裏で潜水艦などを調達しながら「審判(ジャッジメント)」戦で戦線復帰。この時もポルナレフを救います。

 そして迎えた最終決戦で、アヴドゥルはDIOの館にポルナレフ、イギーとともに侵入。アヴドゥルは全滅を防ぐため自分の安全を第一に考え、他者を救わないことを提案、全員が了承しました。しかし、「クリーム(本体:ヴァニラ・アイス)」の強襲を受けた際、アヴドゥルは身をていしてポルナレフとイギーを救い、戦うことなく犠牲に。ポルナレフはイギーの力も借り(イギーも死亡)、涙ながらに弔い合戦に勝利しました。

 超強力な炎を操るというシンプルかつ強すぎる能力のため、荒木先生自身も後年、アヴドゥルは扱いづらいキャラだったと振り返っています。炎を使った生命探知機も作り出せるほど汎用性が高いスタンドなので、もっと活躍が見たかったものです。

●第4部:守銭奴・重ちーの美しい散り様

 矢安宮重清(やんぐう・しげきよ)、愛称・重ちーのスタンド「ハーヴェスト」は、500体近くいる小さな群体型スタンドで、最初は落ちている小銭を拾うくらいにしか使っていませんでした。しかし重ちーは仗助と億泰と出会い、当選した宝くじをめぐって戦闘に突入。1体1体は小さく非力なものの、隠密に近づき皮膚を傷つけたり、お酒を体内に注射し酔っぱらわせたりと地味ながら厄介な強さを見せています。

 その重ちーの散り際は、意外にもかっこいいものでした。偶然から殺人鬼・吉良吉影(スタンド「キラークイーン」)と接触してしまいバトルに。吉良を「ハーヴェスト」で取り押さえたかに見えた重ちーでしたが、爆弾に変わった100円玉の攻撃を食らい、瀕死状態になります。

 しかし、吉良から「両親を始末する」という脅しを受けると、両親を守るため満身創痍で吉良の存在を仗助に伝えに向かいました。結局は伝える前にキラークイーンの爆弾で消されてしまいましたが、吉良の手掛かりとなるジャケットのボタンを引きちぎり、仗助に届けるファインプレーを見せています。

「ハーヴェスト」は荒木先生が最もお気に入りのスタンドとしてよく名前を挙げており、その強さも相当なものとしてファンの間で語り継がれています。動きも俊敏かつ、汎用性は無限、500体同時にダメージを食らわすのも難しく、基本的に隙のないスタンドです。最初から殺すつもりで戦っていれば、仗助たちも吉良も負けていた可能性が高いでしょう。

1 2 3