気兼ねなく倒せる…ジャンプのシンプルなゲス極悪人キャラたち 無駄無駄ですっきり
読者から嫌われる悪役は、主人公に倒されることで読者にカタルシスを与える重要な役どころです。そして悪役には、小悪党から暴君、サイコパスまで、多種多様なタイプが存在します。今回は、そんな悪役のなかでも、同情すべき点のない、シンプルに極悪、ゲスいキャラを紹介します。
もっとひどい目にあっていいと思えるほどのサイコパスや海軍の面汚しの悪役
少年マンガにおいて、魅力的な悪役は必要不可欠な存在です。カリスマ性のある大物悪役もいますが、今回はジャンプ作品のなかから、ある意味清々しい、ラスボス以外のシンプルに極悪、ゲスな悪役キャラを紹介します。
●ジャギ『北斗の拳』
法と秩序が失われている核戦争後の荒廃した世界が舞台の『北斗の拳』には、数々の悪者たちが登場しますが、ことケンシロウに対する悪行でいえば、ジャギの右に出る者はいないでしょう。
「兄より優れた弟など存在しない」「俺の名を言ってみろ」など、有名なネットミームを持つジャギは、ケンシロウと同じく、北斗神拳の伝承者候補のひとりでした。しかし、弟のケンシロウが伝承者に選ばれたことを逆恨みし、シンをそそのかしてケンシロウの恋人・ユリアを奪うように仕向け、さらにケンシロウの名を騙り、レイの妹・アイリをさらうなど、各地で暴虐の限りを尽くしました。そして、ケンシロウとの対決では、銃やガソリンを使うなど、北斗神拳の伝承者候補とは思えないプライドのなさを見せた上で負けています。
本編中では同情すべき点がないジャギですが、後に出版された彼が主役を務める『極悪ノ華 北斗の拳ジャギ外伝』を読むと、少しだけ印象が変わるかもしれません。
●ネズミ大佐『ONE PIECE』
『ONE PIECE』は悪役にもバックボーンがあったり、その後の展開で意外な一面を見せたりと、シンプルに悪いキャラが少ない作品です。しかし、ナミが仲間になった「アーロンパーク編」で登場したネズミ大佐は、かなりゲスいキャラでした。
海軍大佐でありながら、魚人海賊アーロンから賄賂を受け取り、彼らの横暴を黙認。さらに、「1億ベリーと交換で村を解放する」というアーロンと交わした契約のために健気に頑張っていたナミから目標額寸前で金を根こそぎ奪い取るなど、その悪行はとても胸クソ悪いものでした。また、悪人でありながら、事件後も海軍にそのまま在籍し続けていたのも、彼にイラつく理由のひとつです。ネズミ大佐がゾロやナミにボコボコにされた時は、スカッとした人も多かったのではないでしょうか。
●チョコラータ『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』
ジョルノ・ジョバァーナがギャング・スターを目指す『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』には、数々の悪役ギャングたちが登場しました。なかでも、組織のボスの正体を突き止めようと動いていたジョルノたちの前に立ちはだかった刺客・チョコラータは、ボスですら使うことを躊躇するほどの異常者で極悪人です。
チョコラータは、「絶望した奴を見下ろす時が幸福を感じる瞬間」と語るなど、完全に道徳観が欠如しているサイコパスでした。かつて医師だった時には、健康な人に嘘の診断をして手術に及んだり、手術中に麻酔を切って死ぬ様子を観察したりと悪行三昧。少年時代にも、老人介護のボランティア中に老人を自殺に追い込んで、その様子をビデオに記録しています。
そんな彼は、他者の命を何とも思わない精神が反映された無差別殺人カビスタンド「グリーン・デイ」を操り、何の罪もないローマの人々を地獄に叩き落します。最後は、ジョルノから8ページにもわたる無駄無駄ラッシュを食らい、ゴミ収集車に突っ込んで死亡しましたが、チョコラータはそれすら生ぬるく感じるほどの極悪人でした。