『トイ・ストーリー4』が地上波初放映 ファンの間で賛否が割れた「驚きの展開」
ウッディの将来を左右する陶器人形のボー・ピープ
シリーズを当初から観てきたファンには、懐かしいキャラクターも登場します。ボニーたち一家はキャンピングカーに乗って出かけ、ウッディたちもお供をすることに。しかし、フォーキーが車の窓から外に飛び出したため、責任感の強いウッディは探しに向かうのでした。
フォーキーを連れ戻そうと苦闘するウッディが再会することになるのは、羊飼い人形のボー・ピープでした。ボー・ピープは『トイ・ストーリー2』(1999年)以来となる久々の再登場です。
かつてはウッディと「いい感じ」の仲だったボー・ピープでしたが、別人のようにたくましくなっています。アンディの家を離れたボー・ポープは特定の子供の所有物にはならず、いろんな子供たちと遊ぶようになっていました。自分の意思で子供を選ぶ、孤高の「野良オモチャ」となっていたのです。
他にも多彩なオモチャたちが登場します。アンティーク店にずっと飾られている「おしゃべり人形」ギャビー・ギャビーは、自分を必要としてくれる女の子との出会いを待っています。スタントマン人形のデューク・カブーン、移動遊園地の射的場の主となっている「ぬいぐるみコンビ」ダッキー&バニーも大いに活躍することになります。彼らの動きを観ているだけでも、ワクワクします。
新キャラたちの出番が増えた分、カウガール人形のジェシーやポテトヘッドたちの出演場面は限られてしまっています。往年のファンは、そのへんも寂しく感じたようです。
シリーズの大前提がラストシーンで揺らぐことに
近年は人工知能の進化が著しく、2045年には人工知能が人類の知能をしのぐことが予測されています。大きく異なる世の中になると想像されます。
ウッディたちオモチャが、いつから意識を持つようになったのかは定かではありません。でも、ウッディはアンディやボニーら人間の子供たちと遊ぶことで、人格が形成されていきました。そして『トイ・ストーリー4』ではボー・ピープと再会したことで、自立した存在へと目覚めていきます。
オモチャを所有する子供と空想の世界で一緒に遊ぶことが、オモチャたちにとって最高の幸せであることが、これまでのシリーズでは繰り返し語られてきました。でも、その大前提から、ウッディは解き放たれることになるのです。
かなりぶっ飛んだ展開になっているため、これまでのシリーズに親しんできたファンのなかには抵抗を感じてしまった人もいるようです。でも、ウッディたちをオモチャではなく、独自の人格を持つ存在として考えた場合、必然的な結果だったのかもしれません。
バズやジェシーといった強い絆で結ばれた仲間たちと、ウッディはこれからも一緒に過ごすかのか。それとも自意識を持った存在として、新しい世界への冒険に旅立つのか。ラストシーンで、ウッディがどんな決断を下すのかも大注目です。
(長野辰次)