謎の宇宙人ゾーフィって誰?『シンウル』まさかの公式化にファン騒然【ネタバレ】
『シン・ウルトラマン』に登場したゾーフィ。今までのウルトラ族にいなかった金と黒のカラーリングが衝撃的でした。映画でも重要な役目を持っていたゾーフィですが、その原典は半世紀前のミスがきっかけだったのです。
ゾーフィとゾフィーはイコールではない
現在、絶賛公開中の空想特撮映画『シン・ウルトラマン』。時間が経つにつれて徐々に公開前は秘密とされていた部分が明らかになってきました。そのなかでも、これまでのウルトラマンたちとまったく異なる体色の「ゾーフィ」の姿に、映画を観ていない人たちからおどろきの声があがっているようです。
※これ以降の本文では映画のネタバレ事項に触れている部分があります。ネタバレを気にする方はご注意ください。
ゾーフィという名前を聞いて、ウルトラマンを見たことのある人は「ゾフィーじゃないの?」……そう思うことでしょう。結論から言うと、ゾーフィとゾフィーは似たような立場にありますが、まったくの別人です。
まず簡単にゾフィーの説明から始めましょう。ゾフィーは『ウルトラマン』(1966年)最終回で、ゼットンに倒されたウルトラマンを救助するために「光の国」からやって来た宇宙警備隊隊員(後に隊長に昇格)です。そして、第2期ウルトラシリーズが始まってウルトラ兄弟が新たに設定された際、その長男となりました。
こうした経緯から、昭和の時代はウルトラ兄弟の中心としていることの多かったウルトラマンです。後にゾフィーが語り部となった『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』(1984年)という映画も製作されていました。
一方のゾーフィは、『シン・ウルトラマン』の終盤に登場した、ウルトラマンと同じく「光の星」からの使者です。ウルトラマンと違って光の星の掟に忠実であるがため、地球人類が生物兵器となる可能性を危険視し、天体制圧用最終兵器「ゼットン」を起動させて地球はおろか太陽系もろとも消滅させようとしました。
いわゆる映画のラスボス的立ち位置にいます。しかし、悪人という雰囲気でもなく、人間を理解しようとするウルトラマンと反対に、人間をまったく理解していないゆえの行動でしょう。人間にとっての害虫駆除と同じ感覚でいるのかもしれません。
ちなみに映画公開前からゾフィーの登場は示唆されていました。映画のキャッチコピーである「そんなに人間が好きになったのかウルトラマン」は、『ウルトラマン』でゾフィーの言った「そんなに地球人が好きになったのか」の引用ということはファンにはすぐにわかったからです。
しかし、立場こそ酷似しているものの、地球に来た目的がほとんど真逆の展開になるとは、大体の人は想像していなかったことでしょう。筆者も劇場で観た時、おどろきと感心の気持ちがあふれてきました。マルチバースという昨今のウルトラシリーズに使われている言葉が出てきたことから、いわゆる「並行同位体」というものかもしれません。
このゾーフィですが、筆者のような古参には若いファンの人たちよりは先の流れに気づけたと思います。それはウルトラマンが「ゾーフィ」と名前を呼んだ時、思わず脳裏で「今、ゾーフィと言いました?!」と思ったからでした。そう、ゾフィーでなくゾーフィという言葉は年配の人ほど記憶にある言葉だったのです。