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謎の宇宙人ゾーフィって誰?『シンウル』まさかの公式化にファン騒然【ネタバレ】

半世紀前に生まれた謎の存在ゾーフィ

『シン・ウルトラマン』ポスタービジュアル (C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
『シン・ウルトラマン』ポスタービジュアル (C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

 実はゾーフィというのは、『ウルトラマン』放送終了後から第2期ウルトラシリーズ頃くらいまで出版などで見かけた謎の宇宙人のことです。

 その説明文には…
「宇宙人ゾーフィ 身長2メートル 体重50キロ 特徴宇宙からやってきた 宇宙恐龍ゼットンをあやつって大あばれさせる ウルトラマンそっくりに変身する 力はないが頭はよい スーパーガンによわい」
 …と書かれていました。

 これを見ると一目瞭然ですが、この説明は主に「ゼットン星人」のものです。ちなみにゼットン星人という名前が作られたのは放送後でしたが、実際に書籍で見かけるようになったのは第2期ウルトラシリーズ終了後。それまで、ほとんどの子供たちはケムール人だと思っていました。

 実はこの「宇宙人ゾーフィ」の説明文は、円谷プロが配布した文字資料の引用。つまり書籍の誤字の類でなく、大元の資料の間違いが世に出回ったわけです。どうして間違いが起きたかは定かではありませんが、当時は映像がたやすく見れる時代でなかったことが一因かもしれません。

 同時に本来のゾフィーも資料が少なく、『ウルトラマンA』(1972年)で着ぐるみが新たに作られるまではスターマークとウルトラブレスターというリベット状の突起の位置が違うイラストが多く見受けられました。つまりウルトラ兄弟の設定が生まれ、着ぐるみが作られたことで初めてゾフィーは存在が確かなものになったわけです。

 こういった事情を組み込んで、『シン・ウルトラマン』ではゾフィーとゼットン星人の設定を組み合わせたゾーフィという新たなキャラクターが生み出されました。まさしく「嘘から出たまこと」、今風に言うと「まさかの公式化」というものでしょう。

 ちなみに従来のウルトラ族にはなかった金色の身体に黒いラインは、『ウルトラマン』のデザインを手がけた成田亨さんが発表した『NEXT』がモチーフになったと言われています。このカラーリングがウルトラマンにはない独特の雰囲気を生み、傍にいるだけで圧を感じる、無言のプレッシャーと言えるようなものを出しているのではないでしょうか?

 余談になりますが、『ウルトラマン』に登場した時のゾフィーのトサカにあたる部分は黒かったそうです。しかし、光の加減で黒く見えたと思ったのか『A』で新しく作られて以降、ゾフィーのトサカはウルトラマンと同じく銀色で塗られました。それが現在まで踏襲されています。

 しかし、宇宙人ゾーフィのイラストを見ると必ずトサカ部分は黒で塗りつぶされていました。つまり設定的には間違えていた資料にもかかわらず、デザイン的には間違えることなく伝わっていたと推測されます。それゆえにゾーフィもトサカを黒くしているのでしょう。こういった樋口真嗣監督と庵野秀明さんの原典に対するこだわりが、本作を名作たらしめてるのだと筆者は思います。

(加々美利治)

え、目が左右非対称? ゾーフィのビジュアルを見る(7枚)

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