『エヴァ』『ナウシカ』にも影響大!唯一無二の漫画家・諸星大二郎の絶対読むべき作品
マンガの神様・手塚治虫先生に「諸星大二郎だけはマネできない」と言わしめた、唯一無二の漫画家・諸星大二郎先生。独特の世界観は、庵野秀明監督、宮崎駿監督など、そうそうたるクリエイターに支持され、多大な影響を与えています。諸星ワールドの魅力とはいったい? おすすめ作品とともに紹介します。
人気アニメの陰にも諸星あり!?

奇才と名高い漫画家・諸星大二郎先生ですが、名前は知っていても作品は読んだことがないという人は案外多いのではないでしょうか。独特な画風に躊躇しているのだとしたら、実にもったいないことです。各界のクリエイターたちにリスペクトされ、多大な影響を与えている諸星作品は、一度読んだらハマること必至の名作だらけなのですから。
今回は唯一無二といわれる諸星ワールドの魅力と、絶対に読むべき作品をご紹介します。
諸星大二郎先生がいかに特別な存在かは、先生をリスペクトし、影響を受けた顔ぶれからもうかがえます。『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督は「僕は諸星先生の作品で自分の基礎ができている」と語っていますし、宮崎駿監督も諸星先生の話を始めると止まらなくなるほどの大ファンで、マンガ版『風の谷のナウシカ』も諸星先生の影響を色濃く受けていると言われています。また髙橋留美子先生は『うる星やつら』の主人公・諸星あたるの苗字を、諸星先生からとったのだそうです。
そんな諸星作品の魅力は、神話、民俗学、考古学、奇祭などを題材に描かれる、妖しくも神秘的な世界観です。異能や異形のモノたちが登場する作品も多く、ページをめくった瞬間にそこには「諸星ワールド」という異世界が広がっています。日常生活を描く作品であっても、小さなゆがみが存在し、そこから読者は異世界へと引き込まれてしまうのです。
さらに、独特の画風が「諸星ワールド」の色を決定づけます。浦沢直樹先生がその特徴を「確定した線を描かない」「とても曖昧な線になっている」と語るように、細かなタッチを重ねた独特の画風は、作品全体に得もいわれぬ不安感を醸し出しています。それは「マンガの神様」手塚治虫先生にも「僕が唯一描けないのは諸星大二郎の絵だけだ」と言わしめたほどの、唯一無二の筆致なのです。