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失われゆく文化「駄菓子屋アーケードゲーム」の魅力 思わぬ落とし穴も

アーケードゲームを楽しむには、いくつかの選択肢があります。ゲームユーザーが集うゲームセンター、ショッピングモールにあるアミューズメント施設。そして、小中学生の楽園、駄菓子屋です。駄菓子屋アーケードゲームに詰まった、夢と罠を見よ!

ゲーム少年にとって駄菓子が「楽園」だった理由

最新のゲームはなくとも、駄菓子屋アーケードゲームには無限の楽しさが詰まっていた(2006年、佐藤勝撮影)
最新のゲームはなくとも、駄菓子屋アーケードゲームには無限の楽しさが詰まっていた(2006年、佐藤勝撮影)

 家で遊ぶ家庭用ゲームもいいものですが、アーケードゲームの楽しさはまた別腹です。技術の進化によって、今や家でもアーケードと同レベルのゲームが遊べるようになりましたが、アーケードゲームが並ぶ光景は、現地ならではのワクワク感を味わえます。

 アーケードゲームがプレイできる場所は、かつてはゲームセンターが主流でした。しかし近年は、大型ショッピングモールなどに組み込まれたアミューズメント施設系の店舗も増え、ゲームセンターは少しずつ影を潜める傾向にあります。

 ですが、アーケードゲームを満喫出来る代表的な場所は、もうひとつありました。特に小中学生に支持される、子供たちの楽園──そう、駄菓子屋です。駄菓子とメダルゲームが所狭しと並ぶ店内の一角や店先などに、様々なアーケードゲームが置かれることが多々あります。

 きらびやかな施設やゲーマーが集うゲームセンターとはひと味違うその空間は、子供たちにとってまさに天国のような場所。ただし、ちょっとした罠にハマることもありますが、それもまたひとつの思い出です。そんな、駄菓子屋アーケードゲームならではの魅力とそこに潜む罠について、大人の視点から当時を振り返ります。

●ゲーム業界の価格破壊? 10円玉数枚でプレイできる喜び

 アーケードゲームの1プレイは、大型筐体だと200円や300円かかるものもありますが、通常の筐体ならば大体50円~100円に収まります。しかし小中学生にとって、1プレイ100円はちょっと勇気が必要な料金。50円で遊べるゲーセンを求めて通う姿も、かつては珍しくありませんでした。

 しかし駄菓子屋に並ぶアーケードゲームは、こうした料金帯に留まらず、1プレイが30円や20円という破格設定もしばしば。駄菓子屋に通う少年たちは、銀色ではなく銅色の効果を握りしめ、ゲームプレイに励んでいました。

 ちなみに、1プレイは安いものの、残機設定が少なかったり、難易度が上がっているといった調整を施すお店もありました。ですが当時の子供達にとって「安いは正義」なので、むしろ喜々として遊んだものです。

●おやつ食べながらゲーム…欲望全開で楽しめる子供たちの社交場

 施設系の場合、飲食できない場合も少なくありません。またゲームセンターだと、何かを食べるにしてもまず調達しなければならず、小腹を満たすには最寄りの店へ買いに行くひと手間がかかります。

 ですが駄菓子屋ならば、空腹への対処は万全。口さみしい時の駄菓子、夕食前のおやつ代わりにカップラーメン、店によってはもんじゃ焼きという豪華な選択肢も。ほぼ移動する必要のない環境は、まさに理想的と言ってもいいでしょう。

 しかも、自宅だと親に怒られてしまいそうな、「ゲームしながらお菓子を食べる」なんて贅沢も容易く叶えられます。アイスを口に加えてレバーを動かし、敵を撃破する合間にポテチをつまむ。ゲーム少年の理想ここにあり、です。

●時代の先取り? オープンテラス的な開放感がたまらない

 カフェや行楽地ならば、オープンテラスで軽食をいただくのもオツなもの。ですが、ゲームは基本的にインドアな遊び。施設にせよゲーセンにせよ、屋内で楽しむのが一般的です。

 しかし、筐体を店の外に置く駄菓子屋ならば、そこはアーケードゲームのオープンテラス。日差しを浴び、そよぐ風を受けながら遊ぶ開放感は唯一無二。ゲーセンなどでは決して味わえない、天然のアミューズメントパークです。

 また、駄菓子屋というシチュエーションゆえに、高校生や大学生などがあまり寄り付かず、小中学生が気兼ねなく集まれるのも嬉しいポイント。たむろする遊び場として見ても、優秀さを誇ります。

【画像】名作! 80~90年代の駄菓子屋でよく見かけたアーケードゲームたち(6枚)

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