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失われゆく文化「駄菓子屋アーケードゲーム」の魅力 思わぬ落とし穴も

「駄菓子屋アーケード」の思わぬ落とし穴とは?

駄菓子屋にあるアーケードゲームは、座って遊ぶ「ミディタイプ筐体」や、立ったまま遊ぶ「アップライト筐体」などが主流だった(画像:写真AC)
駄菓子屋にあるアーケードゲームは、座って遊ぶ「ミディタイプ筐体」や、立ったまま遊ぶ「アップライト筐体」などが主流だった(画像:写真AC)

●「駄菓子屋アーケード」の天敵とは?も

 ゲーム少年の夢が詰まった、駄菓子屋アーケードゲームの世界。しかし、夢の裏側には思わぬ落とし穴が待ち構えていることもあります。例えば、開放的な雰囲気でゲームが楽しめる一方で、その日差しは時にゲームの大敵として立ちはだかります。

 日光がゲームの画面に差し込むと、その光の強さが画面を遮り、プレイに著しい悪影響を与えることが。目を凝らしても全く見えず、判断不能の状態のままやられる悲劇がたびたび起こりました。

 こうした不幸に抗うには、やはり物理的な手段が一番。筐体と日差しの間に友達を起き、日光を直接遮断して対抗するのが効果的でした。環境の厳しさを、友情の力で打ち勝つ。少年漫画のような展開です。

 ちなみに、雨が降っても友達に傘を差してもらう手で乗り越えられますが、砂塵混じりの突風はかなりの強敵。半ズボンを履いていた日には、戦う前から負け確定です。

●どんな難易度のゲームよりも手強く、決して抗えない絶対のルール

 楽しいゲームをいつまでも遊んでいたい。そうした願望はゲーム少年共通の誰もが思うことですが、駄菓子屋アーケードゲームの場合、容赦のない現実が突きつけられます。

 それは、駄菓子屋の閉店時間。店によって差はありますが、学校帰りの小中学生がメインターゲットなので、夜になると客足は途絶えがち。そのため長々とお店を開けるメリットはほとんどないので、夕方頃に閉めてしまうお店も少なからずありました。

 長居がすぎれば親に怒られるものの、出来るだけ長く遊びたいと思うのは人の常。限界ギリギリまで粘りたい……しかし、閉店時間という現実には太刀打ち不可能。プレイしたい未練を抱える帰り道は、少々切ないものがこみ上げてきます。

●メンテの概念はどこへ? 故障したままの筐体と、立ち向かう少年たち

 駄菓子屋アーケードゲームは、懐に優しくて気軽にプレイでき、お菓子をつまめるという最高のロケーション。しかし、環境面で万全とはいえない面もあり、その最も大きな罠が「故障した筐体」です。

 ゲームセンターや施設系の場合、故障を店員に伝えれば、早ければ即日、遅くてもそれほど時間がかからずに修理されます。しかし駄菓子屋の場合、修理に時間がかかるどころか、そのまま放置というケースもありました。

 一瞬の判断遅れが致命傷=リアルマネーを失うアーケードゲームで、筐体の故障は命取り。ボタンが効かない、画面にヒビ、レバーのボール部分が無い……どれも、過酷どころの話では済みません。故障筐体が多く、そしてメンテ率が低い。それは、駄菓子屋アーケードゲームの宿命なのかもしれません。

 ちなみに、壊れているから遊ばない……とはならず、「このボタン以外を使って攻略しよう」「ヒビ割れてるところは見にくいから、できるだけこっち側で戦えばいい」「このレバー、握れないけど指でつまめばイケるんじゃね?」と、変な向上心を持ちつつ遊ぶ小中学生たち。勉強では決して発揮しない懸命さもありました。

 駄菓子屋アーケードゲームには夢と罠が交錯していましたが、その両方を受け止める柔軟な逞しさこそが、あの頃の日々を輝かせていたのかもしれません。

(臥待)

【画像】名作! 80~90年代の駄菓子屋でよく見かけたアーケードゲームたち(6枚)

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