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イケメン俳優に意外な配役!美形がかすむ? クセ強すぎな演技が見られる実写化映画

もはや顔さえ見せないイケメンも!

成キョウ役・本多奏多の悪役ぶりには原作ファンも絶賛の『キングダム』ビジュアル (C)2019「キングダム」製作委員会
成キョウ役・本多奏多の悪役ぶりには原作ファンも絶賛の『キングダム』ビジュアル (C)2019「キングダム」製作委員会

●イケメンなのに性悪すぎ!『キングダム』の本郷奏多、『帝一の國』の野村周平

 あまりに極悪な役柄ゆえ、そのイケメンぶりさえ忘れがちなキャスティングもありました。中国春秋戦国時代を舞台にした歴史バトルマンガの実写化『キングダム』(原作:原泰久)で、悪役・成キョウ(せいきょう)を演じた本郷奏多さんもそのひとり。成キョウは、のちに秦の始皇帝となるエイ政(えいせい)の異母弟で、自分こそが王にふさわしいと反乱を起こした性格がゆがんだ残忍な人物です。原作は到底美形とは言い難いビジュアルですが、本来は美青年の本郷さん演じる成キョウの、ふてぶてしさ、憎らしさはまさに成キョウそのものでした。特に玉座で斜めに構えたときの表情や嫌な笑みは、この人とは生涯関わりたくないと本気で思うほどです。

 発せられるセリフも無慈悲の極みで「死罪だ。貴様らのような下等な虫が、王族である私に話しかけた罪で死罪。私と同じ場所で息をしている罪で死罪だ」と堂に入っています。原作の原泰久先生も「原作を超えてきた」と絶賛していましたが、はかなげな美しさを持つ本郷さんだからこそ、性悪さも残忍さも際立った気がします。実写映画の常連で、「原作が一番『偉いもの』だと思っている」とインタビューで語っている本郷さんのプロ意識が光った演技でした。

 また、命がけの生徒会選挙を描いたコメディ『帝一の國』(原作:古屋兎丸)では、帝一のライバル・東郷菊馬役を演じた野村周平さんも「イケメンなのに…」なキャスティングでした。なにしろ東郷は「俺は、寝首をかいて、勝つ」の身上どおり、卑怯な手ばかり使う姑息な男なのですから。菅田将暉さん演じる主人公の帝一を子供の頃からネチネチといじめ続け、足をひっぱり続ける姿は、清々しいほどに憎たらしく、若手イケメン揃いの同作のなかでも、なかなか頼もしい存在に思えました。

●イケメンなのに顔出しなし!?『るろうに剣心』の藤原竜也、『銀魂』の山田孝之

 イケメン俳優には、もちろんなるべく顔を出して欲しいものですが、ほとんど顔が出てこないキャスティングもあります。

『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』(原作:和月伸宏)のラスボス・志々雄真実を演じた藤原竜也さんは、かつて危険人物として全身を燃やされて大やけどを負った役柄のため、ほぼ全編を通じて顔を包帯でぐるぐる巻きにしています。しかも包帯の奥には焼けただれた皮膚が垣間見え……正直、藤原さんだと言われても、にわかには信じられないほどです。しかし、原作通り全身大やけどなのにカリスマイケメン感が溢れ出ている志々雄は、藤原さんの演技力、身のこなし、そしてあの特徴的な声でなければ再現できなかったと言えるでしょう。

 また、顔出しなしの最たる例は、『銀魂』(原作:空知英秋)で謎の宇宙生物エリザベス役を担当した山田孝之さんではないでしょうか。エリザベスはオバQチックな着ぐるみ的存在で、山田さんはその声を担当しました。そして、公開後の舞台挨拶のみ、エリザベスのなかに入って登場しましたが、その際も顔見せなし(生足は披露)。どんな役でもこなせるであろう実力派の山田さんを、映画外でまさかそう使うとは……『銀魂』らしいといえば『銀魂』らしい、ファン騒然のキャスティングでした。

 はたから見ると「イケメンなのに……」と思うものの、インタビュー記事などを読んでみると、俳優さんたちはそれぞれの役を実に楽しんで演じていたようです。「イケメン」という枠は、ご本人たちにとっては窮屈なものでもあるのかもしれませんね。

 さて、実写化が発表された『ゴールデンカムイ』や、ハリウッド実写版が進行している『ワンパンマン』には、クレイジーなキャラがゴロゴロいます。日米のイケメン俳優さんたちがどう起用されるか……キャスティングが今から待ち遠しいですね。

(古屋啓子)

【画像】まだまだある!イケメン俳優たちのクセすごキャスティングが見どころの実写映画!(10枚)

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