『仮面ライダー』ファン唖然の再現度! 『コトダマン』第7弾コラボの異常なこだわりを開発陣に直撃してみた【PR】
「足裏の資料はありますか?」──『ガヴ』最新フォームの最速実装
――現在放送中の最新ライダー『仮面ライダーガヴ』から、「仮面ライダーガヴ」や「仮面ライダーヴァレン」をはじめ複数実装されていますが、2025年6月22日の第40話で初登場した「仮面ライダーヴラム」の最終フォーム「アラモードモード」も実装されているので驚きました。
日笠:いやあ、間に合ってよかったです。このタイミングでコラボに登場したら、喜んでもらえるという一心でチーム一同頑張りました。

――番組登場前から制作が進められていたとすると、資料も限られていたのでは?
日笠:そうですね。「ガヴ」の「マスターモード」についても、素材としては立ち絵の写真も頂いていたのですが、どういう戦い方をするかはその時点ではまだ資料がないわけです。
ただ、「ゴチゾウ」の力を使って、いろんな能力を駆使し、かつ高速拳法で戦うフォームだという話をいただいていたので、「横蹴りにしましょう」という話をしました。

柳谷:まだ放送前でなかなかキャラクター性がつかめていないところがあったんですが、「オーバーモード」は「拳」、「マスターモード」は「脚」という事は分かったので、その特徴的な足を生かした蹴りのポーズにしようと。
日笠:そこで東映さまに「足裏の素材はありますか?」と聞いて、取り寄せる事が出来ました。しっかり足裏まで描き込んでいます。東映さまも本当に前のめりに協力してくれてとてもありがたいです。

――足裏の資料までわざわざ取り寄せて……それは相当なこだわりですね。
柳谷:あと「ガヴ」はデザイン全体に透明感があるので、光沢感をどこまで再現できるのかはこだわったポイントの一つです。単純なアニメ塗りではその光沢感を再現しづらいので、グラデーションの具合などで対応しています。

日笠:また「ヴァレンフラッペカスタム」についてはエフェクトにこだわっていて、ちゃんと本編通り、銃弾が板チョコの形になっています。

実はエフェクトにもゲームに実装できる容量のマックスがあって、そこの容量と相談をしつつ、どうやってうまく再現するか考えました。そこで小さいパーツを1個作って、それをいっぱい付けて板チョコっぽく見せています。こうすることで容量を削減しています。容量の問題があっても、ファンとして届け手として、ここで嘘はつけませんから。
――なるほど。お話を聞いていると、制作のタイミング的にはかなり早い段階から動いていたということですね。
日笠:そうです。東映さまにもご協力いただき、前もって資料をお借りしてなんとか間に合わせることができました。実はこれまで毎年6月末くらいで『仮面ライダー』コラボが成立してきたことには理由があるんです。
――どういう理由でしょうか?
日笠:6月末が最新シリーズの最終フォームを最速で出せるタイミングであることが多いんです。その1か月前だと制作が間に合わない。それに、この時期ならばゲームとして最速のタイミングで最新ライダーを楽しんでもらうことが出来る可能性が高いんです。そしたらお客さまにも大好きな仮面ライダーの「最新」を『コトダマン』で楽しんでもらえる。こんなにうれしいことってないので、製作スケジュールが大変でも、それはもう頑張っちゃいますよね。『コトダマン』を遊んでもらえるきっかけにもなりますし、このスタイルはここ数年続けています。

「見えないところまで描く」── 細部へのこだわりは妥協なし
――仮面ライダーファンとしては、「変身ベルト」にも注目したいところなのですが、こちらも描き込みがすごいですね。
日笠:ベルトや武器の描き込み量は、毎回、相当なレベルまでやっています。

柳谷:最終的にはスマホ画面で小さくなってしまうんですけどね(笑)。
日笠:そう言われるかもしれませんが、だからといって手は抜きたくない。だって仮面ライダーを愛してるユーザーさんが『コトダマン』を遊んでくれた時に手を抜いたら伝わるし、逆に、本気になればなるほど、それを感じ取ってくれるんですよ。『コトダマン』の公式放送で「開発さんに聞いてきた」というコーナーがあるんですが、こだわりのポイントに物凄く共感してくれるし応援してくれるんです。そんなユーザーさんに喜んでほしくて、資料とにらめっこしながら妥協なく細かくやっています。
――なるほど。ファンとしてはうれしいところですが、デザイナーさんは大変そうですね。
日笠:ええ。たとえば、第2弾の「グランドジオウ」は、さすがにやり過ぎたかもしれません。

とはいえ、僕の方でストップをかけようとしても、担当デザイナーさんのやる気もあって……少しでも躊躇(ちゅうちょ)みたいなものを見せると「やったほうがいいんじゃないですか?」みたいなツッコミが入ります。ツッコミをした人が大変なのに(笑)
――クリエイターとしてここまでやりたいという気持ちと、全体のバランス調整を考える立場との綱引きですね。
日笠:その通りです。ただ『コトダマン』は作品をお借りしてコラボをする以上、その作品に対して最大のリスペクトとこだわりを持って臨んでいます。なので、一定許してもらえる感じですね。デザイナーの皆さんには本当に頭が上がりません。
第7弾で満を持して登場の仮面ライダーたち
――そのほか「真&ZO&J」がコトダマン化されています。ファン的には「シン」のクラッシャー開閉ギミックや「J」のJサインが盛り込まれていることがうれしいポイントでした。

日笠:「真」「ZO」「J」は、これまでに何回か候補には挙がっていました。今回は満を持しての登場です。
今回この企画をデザイナーさんに持って行ったところ、「デザインはすでにあります」と言われて(笑)。柳谷さんが既に描いていたわけです。もちろん完成版というわけではなくラフでしたが、正直、ほぼ完成版と言っても過言ではないクオリティーでした。
柳谷:実は第6弾が終わるときに「来年こそ出したい」と思って、スタッフみんなが見えるところにラフを貼ってアピールしていました。自分がラインナップを決めるわけではないので、単純に希望としてですが、今回は入れてもらえて本当にうれしかったですね。
――「真&ZO&J」のように複数のライダーが同時にイラスト化されたものだと、「ディケイド&ディエンド」もそうですね。

日笠:「すごわざ」演出では、最終回で「スーパーアポロガイスト」を倒すシーンをイメージしました。今回はいままではできていなかった名場面に着目することをけっこう行っています。
こういう印象的なシーンを彷彿(ほうふつ)とさせる手法は喜んでいただけると思うので、今後も機会があれば取り入れていきたいですね。
柳谷:そう考えると『仮面ライダーオーズ』は名場面にまつわるゲーム演出が多かったですね。第3弾では、「タトバコンボ」が進化すると最終回の「タジャドルコンボ」になるという演出をやりました。

鷺谷:あれは僕が死ぬほどワガママを言って実現できました。最初は「オーズ」の最強形態「プトティラコンボ」で出すみたいな話があったんですけど、最終回のこの熱い展開をどうしても『コトダマン』で再現したくて、当時の担当者に「僕はどうしてもこれがいいです」と言った記憶があります。
柳谷:で、その「最終回仕様のタジャドルコンボ」が出てくるなら、すごわざに「アンク」が出てきてほしいよね、と。しかしスケジュール感としてはけっこう厳しい……という話をしているのを横で聞いていました。その時、「これは先に進めておかないと破綻するな」と思ったんです。それでもういてもいられなくなって。先に「アンク」のイラストを進めておき、「どうですか?」って相談が来た時、できたものをその場で見せました。
日笠:最初何が起こったのかわからなかったですね。相談しに行ったらもう目の前にあるっていう(笑)
柳谷:そういった過程を経て無事実装されたんですが、ユーザーからの反応も大変に大きくて好評でした。「『コトダマン』はここまでやってくれるのか」という声もあり、とてもうれしかったですね。