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え、打ち切り? 名作『聖闘士星矢』少年ジャンプの最終回 あまりに雑すぎる幕引きのワケ

今から33年前の1990年11月19日、「週刊少年ジャンプ」(集英社)の連載マンガ『聖闘士星矢』の最終回が掲載されました。しかし、その衝撃的なラストから「打ち切りではないか」との憶測が飛び交います。そんな『聖闘士星矢』の最終回事情について振り返ります。

単行本には収録されなかった「少年ジャンプ」連載時の最終話

神話を題材に描かれた壮大なマンガ『聖闘士星矢』を映像化したアニメ「聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX 1987~2004」(東映)
神話を題材に描かれた壮大なマンガ『聖闘士星矢』を映像化したアニメ「聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX 1987~2004」(東映)

 1985年12月から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載が開始された『聖闘士星矢』は、翌年の1986年には早くもTVアニメ化され、その後は何度も映画化されるなど、多くのファンを夢中にさせた傑作です。

 しかし、そんな『聖闘士星矢』は、1990年11月19日に発売された「週刊少年ジャンプ」第49号で最終回を迎えます。その中途半端な終わり方は、まるで突然の打ち切りのように感じる内容でした。

「少年ジャンプ」の最終回は、「冥王ハーデス編」の最終決戦の途中で訪れました。死後の世界をつかさどる冥王・ハーデスやその部下・冥闘士(スペクター)たちと、女神アテナとそれを守護する聖闘士との戦いが描かれたのが「冥王ハーデス編」です。

 冥界に乗り込んだ星矢たちは、ハーデスとの最終決戦に臨みます。そして聖矢が必殺技のペガサス彗星拳を放ったところで、物語は唐突に終了しました。

 あのペガサス彗星拳がハーデスにダメージを与えたのかも不明のまま「少年ジャンプ」での連載は終了し、最後の見開きページには「冥王ハーデスとの激闘は まだ終わりを告げていない」という書き出しで始まるメッセージが掲載されました。

 その後、同年に創刊された「Vジャンプ」に『聖闘士星矢 完結編』が掲載され、その内容に加筆したものが『聖闘士星矢』のコミックスの最終話として収録されています。

 このとき雑誌を変えて最終話が掲載された理由は、公式のアニメ本のなかで明かされています。当初は「少年ジャンプ」できちんと最終話が描かれる予定でしたが、ハーデス編があまりにも白熱したために予定していた号に収まりきらず、「Vジャンプ」で正式な最終回が掲載された、とのことです。

 しかし、「少年ジャンプ」掲載の最終話のページを見ても「Vジャンプ」で完結編が描かれることは告知されておらず、当時打ち切りだと感じた読者が多数いたのも事実です。

 ちなみに、2006年より「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて正統な続編である『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』の連載が開始されています。現在は不定期ながらも連載中で、こちらはどのようなラストを迎えるのか気になるところです。

 このように「少年ジャンプ」で打ち切り説もあった『聖闘士星矢』ですが、その後アニメ、ゲーム、舞台、そしてハリウッドでの実写映画など幅広く展開され、現在もマンガ連載は続いています。まるでその姿は、ピンチのたびに立ち上がる主人公・星矢のようにも思えます。

(LUIS FIELD)

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