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「独占配信」のせいで過小評価されてる? 話題になり損ねた隠れ良作アニメ3選

コンテンツを配信サービスにて後追いで見るのが主流になった昨今、どれくらい配信されているかもアニメの重要な要素になっています。今回は「独占配信」になったせいで、話題になり損ねた作品を振り返ります。

埋もれるのはもったいない!

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』キービジュアル (C)平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』キービジュアル (C)平尾アウリ・徳間書店/推し武道製作委員会

 動画配信サービスで注目される魅力的な各サイトの「独占配信作品」は、視聴できるユーザーが限られる分、良作なのに世に知れ渡らずに埋もれてしまう残念なケースもありました。今回は、独占配信で埋もれるには惜しすぎる良アニメ3選をご紹介します。これらの作品はすでに配信解禁されているので、気になる作品をチェックしてみてください。

●『アルテ』

『アルテ』は2020年4月より読売テレビ系の地上波で放送されていたアニメで、FODで同時配信され、そのまま独占配信となりました。

 16世紀初頭、イタリアで貴族の娘として生まれたアルテの夢は画家になることです。しかし当時イタリアでは女性が画家になることなどあり得ない時代で、母親には認めてもらえません。反対を押し切り家を飛び出したアルテは画家の工房に弟子入りを志願して回りますが、女性というだけで全く相手にされない日々を過ごします。

 そんななか出会ったレオは、唯一アルテの絵を見て弟子入りを検討してくれることになるのです。彼は弟子入りの条件として、アルテに課題を与えました。課題をクリアし、アルテはレオの工房に弟子入りを果たしますが、その後も身分や性別による偏見、弊害に悩まされます。

 しかしアルテの熱意や努力が周囲を変え、そして彼女自身も持って生まれた自分の立場と向き合います。バックグラウンドにとらわれずに自分の本当の力で大きな仕事を取るという目標にたどり着く過程は、見ていて背中を押される作品です。

 同作にはイタリアの時代背景が深く絡んでいて、フィレンツェの芸術が花開いた当時の様子も非常に緻密に描かれています。原作は学びにつながるマンガを発表する「これも学習マンガだ! 2020」にも選ばれており、お仕事・人間ドラマという側面だけでなく、時代物としても楽しめるはずです。

 現在『アルテ』は、FODのほかに、U-NEXT、dアニメストア、DMM TV、バンダイチャンネルで定額見放題配信されています。

●『アクダマドライブ』

『アクダマドライブ』は2020年10月からBS日テレやTOKYO MXなどで放送されました。地上波放送当時は、こちらもFODの独占配信となります。

 はるか昔、カントウとカンサイの間で戦争が起き、世界は分裂しました。カンサイはカントウの属国となり独自の発展を遂げていきますが、政治と警察力は衰退し、「アクダマ」と呼ばれる犯罪者が横行するようになります。とある人物の救出依頼に賭けられた「1億イエン」という莫大な報酬をめぐり、「一般人」を巻き込みながらアクダマたちがド派手なバトルを展開するクライムアクションです。

 本作はゲーム『ダンガンロンパ』シリーズのシナリオライター・小高和剛さんと、キャラクターデザイナー・小松崎類さんが再びタッグを組んで製作したオリジナルTVアニメで、第7回「アニメ・トレンディング・アワード」で「アニメ・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、2022年に舞台化もされています。「アクションが最高!」「全シーンめっちゃかっこいい」などの声も上がるほどで、独占配信でなければもっと国民的なアニメになり得たかも、と惜しくなる作品です。

 そんな『アクダマドライブ』は、現在はFODのほかに、U-NEXT、dアニメストア、Hulu、milplus、DMM TV、バンダイチャンネルで定額見放題配信されています。

●『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』は同名マンガが原作のアニメで、2020年1月からTBS系などで放送されていました。岡山県で活動するマイナーなアイドルグループ「ChamJam」の「ファン」であるえりぴよが主役、という一風変わった設定の作品です。

 こちらもFODの独占配信で始まり、その後アニメが終わった2020年春頃から解禁されて、現在はFODのほかに、U-NEXT、dアニメストア、Hulu、Netflix、アニメ放題で配信されています。

「伝説の女」と呼ばれるほど有名なファンであるえりぴよは、収入の全てを注ぎ込むほど推し活に熱中していました。そんな彼女の推しは、グループでも人気最下位の市井舞菜です。

 オタクとアイドルの両側面からアイドル界隈を描いた同作は、特にえりぴよの清々しいほどのオタクムーブが注目ポイントです。推しのいる人なら、誰しもが「分かる……」と天を仰いでしまうはずのあるあるが多々ありました。大切な推しや、自身の推し活と重ねながら楽しむこともできる作品です。

 ここまで紹介した以外にも、2023年下半期は『天元突破グレンラガン』『トップをねらえ』などの名作が見放題解禁になりファンが歓喜しています。見たいアニメが利用中の配信サービスに入っていなくても、うれしい「解禁」ニュースは突然やってくるかもしれません。

(マグミクス編集部)

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