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『無限列車編』第7話、最高の見せ場に涙腺崩壊 ついに「遊郭編」へ

2021年10月、アニメ『鬼滅の刃 無限列車編』がついにスタートしました。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の前日譚と追加エピソードを含む全7話が放送予定の今作。11月28日に放送された第7話「心を燃やせ」をレビューします。

珠玉の演出が彩る、煉獄の炎

『鬼滅の刃 無限列車編』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
『鬼滅の刃 無限列車編』 (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 2021年11月28日、TVアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』の第7話「心を燃やせ」が放送されました。上弦の参・猗窩座(あかざ)との死闘で、重傷を負う炎柱・煉獄杏寿郎。それを見守るしかない炭治郎と伊之助。全員の感情が爆発するような描写に、展開が分かっていながらも涙腺を持っていかれました。

●燃え盛る炎から盛り上がり続ける、最高のクライマックス

 ついに来てしまいましたね。TVアニメ『鬼滅の刃 無限列車編』の第7話にして、一連の物語のクライマックスが。劇場版で観た当時、後半20分はほぼ泣きっぱなしで着けていたマスクが台なしになったのを今でも覚えています。

 瞬時に傷が治る猗窩座に対して、明らかに負傷と疲労が色濃い煉獄。BGMが消えた静寂のなかで聞こえる彼の息遣いが痛々しく、新規カットで追加された彼を見守る炭治郎の表情にも、大きな悲壮感が漂います。

 そんな静けさにて、呼吸を整え、再び燃え盛る煉獄。静寂から一転して赤々と燃え盛る煉獄と豪華なBGMの演出は、一連のストーリーで最大の見せ場ではないでしょうか。オルガンと鐘の音がバックに聞こえる音楽は、彼の強固な精神の現れであり、また同時に鎮魂歌のような趣きも感じられて、このあたりから筆者の涙腺は崩壊を迎えていました。

 ここからの展開は、深く語る必要もないでしょう。自身の名を冠した炎の呼吸奥義「煉獄」を放つも、致命傷を負う煉獄。今際の際で思い出した母との記憶とともに、命の限界を超え猗窩座を追い詰める執念。炭治郎の悲痛な叫び。死に際にさえ家族と仲間を思いやり、母との約束を果たし安堵の笑みと共に息絶える……。

 ここまで泣かせにくる演出で、一瞬たりともむだなく思うまま涙を流した作品は、今まであったでしょうか。ラストシーンは、煉獄に、炭治郎に、伊之助に、善逸に、柱たちにとあらゆるキャラクターに感情移入し、感情の整理ができないほどでした。まさかカラスにさえ感情移入するとは、思いもしませんでしたね……。

●「兄」の遺志をつぎ、物語は「遊郭編」へ

 劇場版とは異なる新規カットもありながら、全7話構成で送られた「無限列車編」。改めてゆっくり物語を吟味して、炭治郎にとって煉獄は、まさに「兄」のような男だったと再認識させられます。

 鬼殺隊士としての実力もさることながら、長男であること、命あるものを慈しむ心、他をけん引する明るい性格、呼吸の種類の類似性。炭治郎にとっての煉獄は、心を通わせる要素がひときわ多い特別な存在だったでしょう。

 もしも無限列車での一件の先に、もっと彼らの交流があったのなら……。そんなたらればに思いを巡らせると、涙腺がどんどんガバガバになっていきます。いけないいけない……。

 そんな兄の遺志を継ぎ、さらなる成長を遂げる炭治郎たち。いよいよ待ちに待った「遊郭編」がはじまります。本格的に炭治郎が格上の鬼・上弦たちと対峙する、特別なストーリーです。筆者はそんなワクワクを抱えつつ、もう少しだけ煉獄の命燃やすストーリーの余韻に、浸ろうかなと思います。

※煉獄の「煉」は「火+東」が正しい表記

(サトートモロー)

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