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【漫画】合唱コンクールでソロの男子に「キモい」ひどいクラスが当日は…中学生のリアル

ある中学校では合唱コンクールの練習中。伴奏担当の男子は、真面目に練習に参加しない人がいたり、いじめがあったりするクラスを嫌だなと思いつつ、怖くて何もできずにいましたが……。イララモモイさんの創作マンガが「リアル」と反響を呼んでいます。

中学校の人間関係を赤裸々に描いた物語が刺さる

クラスの雰囲気が気になりつつ、言えない郡山くん(イララモモイさん提供)
クラスの雰囲気が気になりつつ、言えない郡山くん(イララモモイさん提供)

 ある中学校では合唱コンクールが3週間後にせまっており、クラスで練習中。伴奏担当の郡山くんは、真面目に練習に参加しない松野くんたちや、いじめられている本町くんを見て嫌だなと思いつつ、怖くて何もできずにいました。しかしある日の練習で本町くんの美声を聞き……。
 
 イララモモイさん(@iroiro_kangae)による創作マンガが『大好きな合唱コンクールのはなしかいた』としてTwitterで公開されました。中学校のクラス内を舞台として、複雑な人間関係を描いた物語に、読者から「めちゃくちゃリアル」「グサグサ刺さる」「中学こんなんだったなあ」などの共感の声があがりました。

 作者のイララモモイさんに、お話を聞きました。

ーー今回の合唱コンクールのエピソードは、イララモモイさんの実体験かと思うほどリアルですが、創作のお話でしょうか? このお話をマンガに描こうと思ったきっかけはありましたか?

 これは私の姉に聞いた話が元になっています。姉の中学校の合唱コンクールで、練習中ずっとふざけていた女の子が本番だけ身なりを整えたらすごく評価されていたらしくて。とても印象的なエピソードだったので、その話から膨らませて描きました。

 人間関係に関するマンガが好きで、特に中学校の独特で複雑な人間関係が煮詰められた「合唱コンクール」はずっと描きたいテーマだったので、今回描けて満足しています。

ーー登場人物の言動や思考がそれぞれの立場でリアルに描かれています。自分の視点とは異なるキャラクターについてここまで深堀りして表現するのはなかなか難しいのではないかと思いますが、そのあたりはどのように描いていかれたのでしょうか。

 自分とは異なる視点を持つキャラクターを動かすときは、「自分がこのような経験を持ち、こういう性格で、こういう境遇だったらどう思うかな?」と、キャラクターの文脈に沿い、とことんなりきって考えるようにしています! あとは、身近な人の考え方や行動を観察して得られたものも材料にしています。

ーー作中ではさまざまな印象的なシーンがありますが、イララモモイさんが読者に特に注目してほしいのはどのシーンでしょうか?

 最も見てほしいところは、ラスト3ページで郡山くんが本町くんに「あんなちっちゃいクラス内の評価基準に惑わされないでね! おれは本町くんが好きだよ!」と言っているところです。中学校のクラスって本当に狭い世界だし、それぞれに対する評価もかなりゆがんでいるのに、そのなかで生きる子供たちにとってはそれが全てになってしまうと思います。もしその小さい世界で否定されていたとしても、自分に全く価値がないと思わないでね、ということがこの作品を通して一番伝えたかった内容です。

勇気を出して声をあげた郡山くんですが…(イララモモイさん提供)
勇気を出して声をあげた郡山くんですが…(イララモモイさん提供)

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

 まず、「私の中学校もこんな感じでした!」と共感してくださる方が多くて、珍しい話ではないんだなぁ! と驚きでした。また、今回中学校の人間関係をテーマにしているので、松野くんが郡山くんのことを「りっくん」とちょっと見下す感じに呼んだり、沢田くんが集合写真で一番前に寝っころがってたり……と、言語化せずとも微妙なニュアンスでスクールカーストの構造を表現できないかと模索していたのですが、そういうこだわった点に気付いていただけることがとてもうれしかったです。

 あと、私はキャラクターひとりひとりにめちゃくちゃ設定を盛り込んだりとすごく愛着を持っているのですが、今回、郡山くんや本町くんのことを好き! といってくださる方が多くて、我が子のように愛おしいキャラクターを気に入ってもらえることはすごくうれしかったです!

ーーTwitterで精力的にマンガを公開なさっています。創作するうえでの原動力になるものはありますか?

 マンガを描くのが楽しいという私自身の感情が一番の原動力です! 描きたい話が次から次へと出てくるので毎日幸せです。

 あとは、毎回素敵な感想を言ってくださる方の存在は本当にありがたくて、「これからも楽しみにしています!」などおっしゃっていただくととても励みになります。いくら描きたいという気持ちがあっても、マンガを描くことは楽しいことばかりではないですし、ありがたいフィードバックがないと描き続けられないと思うので、本当に感謝しています。

(マグミクス編集部)

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イララモモイ

漫画家。無料マンガ配信サービス「サイコミ」にて、『付き合えなくていいのに』を連載中。この連載が人気となり、2022年12月23日(金)に『付き合えなくていいのに』第1巻(kindle版)が発売。
Twitter:@iroiro_kangae