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声優の「大暴走」を堪能できるアニメ3選 衝撃的な悪ノリで爆笑必至!

「声優無法地帯」の元祖は?

●これぞ「声優無法地帯」の元祖? 『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』

セレクション放送『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン』キービジュアル (C)TOMY
セレクション放送『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン』キービジュアル (C)TOMY

 ネットでは「声優無法地帯」という言葉が生まれたきっかけは、1997年に放送を開始したアニメ『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』といわれています。

 カナダのメインフレーム社が制作した、世界初のフルCGロボットアニメーションである同作は、それまで乗り物(ビークル)に変形していた「トランスフォーマー」シリーズとは異なり、さまざまな動物へと姿を変えることが特徴です。

 原語版では難解かつシリアスなストーリーとなっていましたが、販促担当だった大野光仁さんによると、翻訳版を日本で制作する際に「面白おかしくやってもいいのでは?」という意見が出て、コメディタッチな演出がされていったとのこと。その結果、冷酷で残忍ながらひょうきん者という設定の悪役・デストロンを演じるベテラン声優・千葉繁さんを筆頭に、人気声優さんたちのコミカルなアドリブが加えられることとなります。

 その筆頭とも言えるのが、アドリブから生まれた主人公・コンボイの愛称を用いたフレーズ「イボンコ☆ペッタンコ」でしょう。

 続編である『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ』第14話のオープニングで「みんなの名前を逆さにして言ってみよう」という話題となった際、主人公・コンボイを逆さに読んだ「イボンコ」が出演陣のツボに入ったのか、「今日はイボンコって呼ぼう」という悪ノリが発生。

 コンボイが敵によって肉体がペシャンコになってしまう、シリアスなはずのシーンでは、仲間のラットルが「イボンコペッチャンコ・イェイ!」とはやし立て、大合唱が始まってしまいます。アイキャッチでも歌い続ける仲間たちを前に、呆れ果てたコンボイが死んだはずなのに「あの~コンボイだけど……お前ら、ぶっ飛ばすぞ?」と呟くなど、まさに「声優無法地帯」な状態となっていました。

「イボンコ☆ペッタンコ」は視聴者に大きな衝撃を与えており、実写版「トランスフォーマー」シリーズ新作の製作が発表された際にもトレンド入りするなど、今なお伝説として語り継がれています。2023年4月からは、『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ』のセレクションの再放送、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン』が決定しているため、まだ観たことのない方は「声優無法地帯」がどんなものなのか、チェックしてみるのもおすすめです。

 ちなみに、同作でコンボイ役を務めていた声優・子安武人さんは実写映画「トランスフォーマー」シリーズ最新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』において、ゴリラ型のトランスフォーマー「オプティマスプライマル」の声を担当することが発表されました。またしても子安さんがゴリラに変形するトランスフォーマーを演じるニュースに、当時からのファンは「イボンコが帰ってきた!」「小学生の自分に教えてあげたい」と盛り上がっています。

(田中泉)

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